相続財産~遺産分割や相続税の対象となる財産を調査!

通帳

相続財産は、遺産相続の基本!

遺産相続をするとき、相続財産は非常に重要です。相続財産とは、被相続人が残した財産全般であり、現金や預貯金、株券、不動産や骨董品、貴金属や各種の積立金などが一般的ですが、それに限らず負債なども相続財産となります。相続財産は、被相続人から相続人へと相続されるもので、基本的に相続税課税対象となります。ただ、遺産分割の対象にならないけれども相続税課税の対象になる財産もあります。

これらに対し、相続財産ではない財産があります。そうしたものは、遺産分割の対象にならず、被相続人の死亡とともに、そのまま権利義務が消滅してしまったり、遺産分割ではない方法で承継者が定められたりします。

以上のように、相続財産は遺産分割協議の前提となるものであり、その範囲が決まっていなかったら遺産分割協議をすることもできません。相続の際には常に意識しておくべきですし、ケースごとにどのような相続財産があるのかを確実に調査して把握しておかなければなりません。

相続財産になるもの

それでは、具体的に相続財産になるものにはどのような財産があるのか、見てみましょう。

プラスの資産

まずは、プラスの資産があります。これは、現金や預貯金、不動産や投資信託、株式やゴルフ会員権、骨董品や貴金属などの、「価値のある財産」です。被相続人がこれらの資産をもっていたら、遺産分割の対象になりますし、評価額に応じて相続税が課税されます。

プラスの資産の例と評価方法

以下では、代表的なプラスの財産とその評価方法を確認しましょう。

現金・預貯金

現金や預貯金は、時価で評価を行います。

不動産

不動産については、遺産分割の際と相続税の課税時において、評価方法が異なります。まず、遺産分割の際には、不動産の市場価格を基準にすることが多いです。市場価格とは、実際に不動産を市場で売却するときにつく相場価格です。市場価格を調べるためには、不動産業者に簡易査定などをしてもらうと簡単にわかります。不動産鑑定士に依頼することも可能ですが、その場合、数万円~数十万円の高額な費用がかかります。

株式、有価証券、投資信託など

株式や投資信託についても、時価による評価となります。非公開株式の場合、専門的な評価方法が必要となるので、公認会計士などの専門家に評価を依頼する必要があります。

自動車

自動車もプラスの資産として相続の対象になります。評価方法は、時価評価なので、中古車屋に査定を依頼するか、同じ車種、登録年数、走行距離の中古車の相場を調べるなどして評価を明らかにしましょう。

宝石・骨董品

宝石や骨董品などで価値のあるものも、プラスの資産として相続対象になります。これらの評価についても、正確に知りたければ専門家による鑑定が必要になります。

プラスの資産の具体的な遺産相続手続きの方法

次に、プラスの資産を相続する場合の具体的な遺産相続手続きについて、確認しましょう。

動産

現金や骨董品、貴金属などの動産は、そのままもらったら良いだけです。遺産分割協議によって自分が相続人となったら、そのまま自宅に引き取り、管理しましょう。不要ならば売却処分することも可能です。

預貯金

預貯金の場合、解約出金が必要になります。預貯金口座の取引は、被相続人の死亡と同時に止められるので、自分が遺産分割協議で相続人となったら、金融機関に行って解約出金の手続きをしなければなりません。その際、遺産分割協議書や戸籍謄本、身分証明書などの書類が必要になりますし、その場で解約出金の請求書を作成しないといけないので、印鑑も必要です。具体的な取扱は各金融機関によっても異なるので、個別に確認しましょう。

なお、遺産分割前であっても、共同相続人全員の共同申請により、解約出金をすることができます。

不動産

不動産を相続したら、相続登記をしなければなりません。相続登記とは、不動産の所有名義を被相続人から相続人へと変更することです。不動産を相続しても相続登記する義務はありませんが、登記をしないで放置していると、誰かが勝手に法定相続人の共有登記にしたり、無断売却が行われたりする問題も起こるので、必ず早めに登記を行いましょう。

相続登記をするときには、不動産を管轄する法務局に行って、「登記申請」という手続きをしなければなりません。その際、遺産分割協議書や相続人全員の印鑑登録証明書、被相続人が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本、不動産の固定資産評価証明書などの書類が必要です。

申請が受け付けられたら、不動産の名義を書き換えてもらうことができて、新たな所有者となった相続人に対し、登記識別情報(不動産権利証)が交付されます。これは、自分が不動産の所有者であることを示す重要な証拠なので、なくさないように大切に保管しましょう。

自動車

自動車についても、名義書換が必要です。自動車の名義書換をするためには、自動車を管轄する運輸支局に対し、名義変更に必用な書類を提出して、申請をしなければなりません。その際、遺産分割協議書と印鑑登録証明書、被相続人が亡くなったことがわかる戸籍謄本、自動車検査証などの書類が必要です。申請が受け付けられたら、被相続人から相続人に自動車の名義を変更してもらうことができます。

有価証券

株式などの有価証券を相続する際にも、名義書換が必要になります。このとき、株式が上場株式か非公開株式かによって、取扱が異なります。

上場株式の場合には、証券代行会社に連絡をして、名義書換の手続きをすすめます。具体的には、遺産分割協議書と被相続人が亡くなったことがわかる戸籍謄本、相続人の戸籍謄本や身分証明書などが必要になることが多いです。会社によって申請書の書式が必要書類が異なるので、詳しくは証券代行会社に確認しましょう。

非公開株式の場合には、株式を発行している会社に直接連絡をして、名義変更の手続きを進める必要があります。その際、やはり遺産分割協議書と戸籍謄本などの書類が必要です。具体的には、株式発行会社とのやり取りの中で手続きを確認しましょう。

なお、株式の場合、名義変更をしないと、対象の会社に対して自分が正当な株主であることを対抗できないので、早期に名義変更することが重要です。

マイナスの負債

マイナスの負債も相続財産です。マイナスの負債というと、「借金」を思い浮かべるかもしれませんが、実際には借金以外のものも対象になります。以下で、具体的に見てみましょう。

借金、ローン

まず、借金やローンがあります。たとえば、サラ金からの借り入れやクレジットカードのキャッシングやショッピングの未払、銀行ローン、車のローン、教育ローンなどはすべて相続されます。ただ、住宅ローンについては、団体信用生命保険に加入していることが多いため、借入人の死亡とともに完済されることが普通です。

被相続人が事業を行っていた場合などには事業用ローンや公庫からの借り入れ、ビジネスローンなどを利用していることもあり、こうしたケースでは借入金額も大きくなりがちなので、注意が必要です。

未払家賃、原状回復費用

被相続人が賃貸住宅に居住していたときには、未払の家賃や原状回復費用に注意が必要です。これらの負債も相続対象になります。被相続人が生前に家賃を滞納していた場合はもちろんのこと、相続開始後の家賃が未払になっている場合にも、相続人が支払をしなければなりませんし、明け渡しをする際、原状回復費用も負担する必要があります。

未払の割賦債務

被相続人が、分割払いで何らかの商品やサービスを購入していたケースでも、相続が起こります。完済していない場合、残債務が相続されるからです。絵画や貴金属、英会話やエステなど、いろいろな未払債務が発生している可能性があるので、注意深く調べましょう。

未払の光熱費、電話代

被相続人が死亡したとき、光熱費や電話代などが未払になっていることもありますが、これらについても支払をしなければなりません。被相続人がスマホや携帯電話を使っていた場合、電話代だけではなく端末代の割賦支払い分も未払になってしまうことがありますが、そのときには、相続人は未払の端末代の残債務をまとめて支払わないといけないこともあります。

未払の買掛金

被相続人が事業を営んでいた場合には、取引先に対する支払いが未払になっていることもあります。買掛金が発生していたら、相続人はその支払いもしなければなりません。被相続人が事業を営んでいると、賃貸物件を借りていることも多いですし、ローンその他のいろいろな債務が発生することが多いので注意が必要です。

未払の損害賠償債務

被相続人が交通事故を起こしたり、その他の他人に迷惑をかける行為をしたりして、損害賠償債務を負ったまま死亡したら、損害賠償債務が発生したままになります。この場合、その損害賠償債務も相続されます。

たとえば、交通事故などでは、示談が成立して損害賠償金が確定してから死亡する場合と損害賠償金が確定する前(示談成立前)に死亡する場合がありますが、どちらのケースでも債務は相続対象となります。特に賠償金額が確定していないなら、相続人が被害者と示談交渉をして金額の確定から始めないといけないので、大変ですし、いくらの支払いが発生するかもわからないので、注意が必要です。死亡事故など、事故の結果が重大な場合などには、莫大な損害賠償債務が発生することもあるので、「相続放棄」などの手続きを検討した方が良いケースもあります。

マイナスの負債の分割方法はどうなるの?

それでは、こういったマイナスの負債が相続対象となる場合、それらの分割方法はどうなるのでしょうか?プラスの資産であれば、相続人が集まって遺産分割協議の話合いをすることによって、誰がどの遺産を相続するかを決定しますので、負債の承継の場合でも、相続人同士が話し合って誰が借金を相続するかを決めることができるのかと思うかもしれません。

しかし、マイナスの負債は、相続人が自分たちで話し合って承継人を決めることはできません。負債には「債権者」がいるからです。債権者は、負債の支払いを請求する権利を持った人のことであり、借金ならサラ金の会社や銀行、ローン会社やクレジットカード会社が債権者ですし、未払家賃なら大家が債権者です。買掛金債務なら取引先が債権者ですし、交通事故の損害賠償債務であれば被害者が債権者となります。

そして、債務者が死亡したからといって、資力の小さい相続人に借金が集中してしまったら、債権者にとって大きな不利益が及ぶので、そのようなことは認められないのです。

もし相続人が負債の相続割合を決められたらどうなるの?

もし相続人が自分たちで負債の相続割合を決められたらどんな不都合があるのか、わかりやすいように、例を挙げてみてみましょう。

父親が3,000万円の負債を残して死亡した事案で、子ども3人(長男、次男、三男)が相続人となっています。父親は、他に4,000万円の資産も残しました。ここで、長男が4,000万円の負債を相続して、3,000万円の負債については、次男が全額引き取ることにしました。次男はフリーターでほとんど貯金もありません。そこで、次男は自己破産をして負債を免除してもらいました。長男は4,000万円の資産をもらって悠々自適に暮らしています。債権者たちは、まったく支払いを受けられなくなりました。

もし、相続人たちが自由に借金の相続割合を決められることになったら、このような身勝手なことも可能になってしまうのです。

借金などの負債は分割相続される

そこで、借金などの負債は、相続人に分割して相続されます。このときの相続割合は、必ず法定相続分に応じたものとなり、相続人が相続割合を決めることはできません。

たとえば、子ども3人が法定相続人になる場合、子どもたちはそれぞれ3分の1ずつの借金を相続します。先の例でも、兄弟3人は3,000万円の負債を1,000万円ずつ相続します。そこで、たとえ長男が4,000万円の相続をしても、そこから1,000万円分の負債は支払をしないといけません。三男も、自分が支払える範囲で支払をします。万一次男が自己破産をしても、債権者は最低限2,000万円を回収できることになります。

このようなことがあるので、普通は、負債があれば、遺産の中から負債を支払い、その残りを相続人間で分配することが多いです。特定の1人に負債を集中させて債務を免れる、というような虫のいいことは認められないので、覚えておきましょう。

権利義務

相続財産として承継されるものには、権利義務もあります。権利義務とは、被相続人が何らかの債権を持っていた場合や債務を負っていた場合、何らかの契約の当事者であった場合などのその地位です。ただ、契約によっては当事者の死亡によって終了するものもあるので、そういった権利義務は相続の対象になりません。以下で、問題となる権利義務の具体例をご紹介します。

債権

まず、債権は相続財産となります。たとえば、被相続人が誰かにお金を貸していて未回収の場合や、被相続人が事業を営んでいて未払の売掛金がある場合、被相続人が賃貸アパートを経営していて、未払の家賃が発生している場合などには、相続人が債権を承継して、支払い請求をすることができます。

また、被相続人が交通事故に遭って死亡した場合などには、その損害賠償請求権も遺産相続の対象となります。相手の保険会社との示談交渉が成立していない段階なら、相続人が示談交渉をして相手の保険会社から賠償金(示談金)を決定して支払いを受けることになります。

賃貸人としての地位

被相続人の賃貸人としての地位も、相続の対象になります。これは、未払の家賃という既に発生した債権だけではなく、「賃貸人」という立場がそのまま承継されるということです。権利だけではなく義務も承継されるため、賃貸借契約を解約しない限り、将来にわたって賃借人に対して家賃を請求することができますし、賃貸物件が毀損した場合には修理をしなければならない義務も負います。賃借人からのクレームにも対応しなければなりませんし、契約の終了時には敷金返還債務も負います。

遺産分割協議前は、相続人全員が賃貸人としての立場となりますが、遺産分割協議によって特定の相続人が賃貸の対象となる不動産を相続をしたら、その後はその人が賃貸人となって、賃貸借契約の存続や解約を検討することになります。

賃借人としての地位

被相続人が賃貸アパートやマンションに居住していた場合、そこでの賃借人としての地位も相続の対象となります。賃貸人のケースと同様、既に発生している未払の債務だけではなく、賃借人としての権利や義務も承継するということです。

そこで相続人らは、賃貸借契約を解約するまでの間、家賃を支払う義務を負います。このとき、注意しないといけないのは、「実際には居住していなくても」契約を終了させない限り、家賃が発生し続けるということです。また、解約をしても、内容物を収去して明け渡しを済ませるまでの間、賃料の支払い義務が残ります。そこで、相続人が引き続いてその家に住む予定がないなら、早々に賃貸借契約を解約して終わらせた方が良いです。

相続人全員が賃借人としての地位を承継するので、契約を終了させたら大家から敷金を返してもらうことができます。これについては、基本的に法定相続分に従って分けますが、相続人間の話合いによって、特定の相続人が受けとることも可能です。

連帯保証債務

被相続人が連帯保証人になっていた場合、その地位も相続の対象になってしまいます。そこで、被相続人が知り合いの保証人になっていた場合などには、相続人が代わって連帯保証人になってしまいます。主債務者が支払をしなくなってしまったら、相続人が代わって支払をしなければならないのです。被相続人が個人的に誰かの保証人になっている場合、相続人は主債務者と面識もないことも多いですが、そういったケースでも、その赤の他人の借金を保証しなければならないので、重大な問題となります。

何が相続財産になるのかわからないなら、弁護士に相談しよう!

以上のように、遺産相続があったとき、単純に「現金や預貯金、不動産を分けたらいいんでしょ?」というわけにはいきません。プラスの資産であっても、評価方法が問題になることもありますし、不動産登記などの具体的な相続の手続きは煩雑なことも多く、自分ではどのように対処していいかわからないことがあります。

また、被相続人が事業を営んでいた場合には、高額な事業ローンを組んでいることもありますし、未払の買掛金があって取引先からクレームが来たりすることもあります。さらに、賃貸物件の経営をしていたり、反対に事務所のテナントを借りていたりして、複雑な相続関係が発生することが多いです。このようなとき、適当に対処していると、予測していなかったような高額な借金を相続することになったり、契約の相手からいきなり連絡が来たりして、相続人としては対処に困ってしまいます。

遺産相続の際に相続財産に関してわからないことがあったら、まずは弁護士に相談すべきです。弁護士であれば、相続財産の区別や正しい評価方法、複雑な相続財産がある場合の調べ方などをアドバイスしてくれるので、助かります。自分で判断して間違った対処をすると後で困ってしまうため、早めに弁護士に相談をしましょう。

相続財産にならないもの

遺産相続をするとき、相続財産になるように思えるけれども、実は相続の対象にならないものがあります。そこで、以下ではそういった「相続財産にならないもの」にどのようなものがあるのか、見てみましょう。

祭祀財産

相続財産にならないものとして、まず、祭祀財産があります。

祭祀財産とは

祭祀財産とは、先祖をまつるための財産です。たとえば、仏壇や仏具、神棚やお墓などが祭祀財産となります。具体的には、以下のものが該当します。

系譜

まず、系譜があります。これは、いわゆる家系図のような資料です。先祖から子孫への血縁関係が書かれています。掛け軸や巻物などの形で受け継がれていることが多いです。

祭具

次に、祭具があります。これは、祭祀の儀式を行うときに使う道具のことです。たとえば、仏壇や仏具、位牌や仏像、神棚やそれに付属するものは、すべて祭具となります。お盆の際に飾る道具や提灯なども祭祀財産の1種です。ただし、仏間が建物と一体になっている場合、その仏間の部分が独立して祭祀財産となることはありません。

墳墓

3つ目に、墳墓があります。墳墓とは、亡くなった人の遺体や遺骨を保存しているお墓の施設です。埋棺や墓碑、霊屋だけではなく、その敷地となっている墓地も墳墓の内容になります。

これらの祭祀財産は、相続財産の対象にならないので、遺産分割によって分割することはありませんし、相続税の課税対象にもなりません。

祭祀財産は誰が承継するのか?

次に、祭祀財産を誰が承継するのかについて、見てみましょう。祭祀財産は、祭祀を主催する祭祀主宰者が承継します。祭祀主宰者は各家に1人のものなので、祭祀財産は、基本的に1人の相続人が全部承継します。仏壇や仏具、遺骨やお墓などを、それぞれ別の人が受け継ぐ、ということはしません。このように祭祀財産を承継する相続人のことを、祭祀承継者と言います。祭祀承継者を決める方法は、民法で指定されています。

被相続人による指定が優先される

まずは、被相続人(前の祭祀主宰者)が祭祀主宰者の指定を指定していた場合、その内容が優先されます。そこで、被相続人が遺言などにより、祭祀承継者を指定していたら、指定された相続人が祭祀を承継します。

慣習によって決まる

遺言などによる指定がない場合には、慣習によって定まります。たとえば、長男が祭祀主宰者となるのが常であれば長男が祭祀主宰者となりますし、末の妹が承継する地方であれば、末の妹が祭祀を承継します。慣習で祭祀承継者を決める場合、相続人同士が話し合いをして祭祀承継者を決めることも可能です。このように、話合いによって合意をして祭祀承継者を決めることができればもっともスムーズでしょう。

家庭裁判所が指定する

遺言もなく、慣習も明らかではない場合には、家庭裁判所に祭祀主宰者を決めてもらう必要があります。この場合、まずは相続人が家庭裁判所において、「祭祀承継者指定調停」を申し立てます。そして、まずは当事者同士が話し合いによって祭祀承継者を決めようと試みますが、それが不可能な場合には、家庭裁判所が審判によって祭祀承継者を指定します。

ただ、家庭裁判所によって祭祀承継者を指定されると、当事者間に感情のしこりが残り、その後の祭祀の儀式の実施が困難になることも多いので、できれば審判ではなく、話合いで祭祀承継者を決めることをおすすめします。

墓地を取得するために必用な書類

祭祀承継者となった場合、新たに墓地を取得しなければならないことがありますが、このとき、祭祀主宰者であることの証明を求められることが多いです。これは、お墓の承継者が不明になって、将来お墓が放置されることを防ぐのを主な目的をしています。今、少子化などの影響によって放置されているお墓の数が増えており、承継者に全く連絡が取れず、撤去が必要になる無縁墓も発生しているためです。

具体的には、以下のような書類が証明書として有効です。

  • 祭祀主宰者の名前が入っている葬儀の領収証
  • 祭祀主宰者の名前が入っている会葬礼状
  • 寺社による、法事に関する証明書
  • 祭祀主宰者が申請者となっている火葬許可証
  • 祭祀主宰者が死亡届出をしている戸籍謄本

自分が祭祀主宰者となる場合には、上記のような証明書が必要になる場面があるので、領収証などは捨てずにとっておきましょう。

一身上の権利義務

相続財産にならないものとして、一身上の権利義務もあります。一身上の権利義務とは、権利の性質上、その人にのみ専属する権利や義務のことです。相続の対象にならないので、被相続人が死亡するとその権利義務は消滅します。相続人としては、何の対応も行う必要はありません。

一身上の権利義務の例

一身上の権利義務には、以下のようなものがあります。

代理権

被相続人が誰かの代理人として活動していた場合、相続人が代わりに代理人になることはありません。代理人は、代理人となる者に対する個人的な信頼関係を基礎としているため、それ以外のものが行うことは予定していないからです。

使用貸借における借主の地位

被相続人が、誰かから無償でものを借りて使用していた場合、その借主の地位は承継されません。この点、賃料が発生する有償の賃貸借契約の場合には、借主の地位が承継されるので、その区別をはっきり押さえておく必要があります。被相続人が無償でものを借りて利用していた場合、貸し主が返還を求めてきたら、すぐに返還に応じないといけません。

雇用契約における当事者の地位

被相続人が誰かに雇用されて働いていた場合や、誰かを雇って働かせていた場合、その当事者の地位は相続の対象になりません。たとえば、父親がサラリーマンをしていて死亡した場合、子どもが代わりに会社に働きに行くことはありませんし、父親が事業を営んでいて従業員を雇っていたとき、相続人が代わりにその従業員を雇い続けなければならない、ということはありません。

組合契約における組合員の地位

被相続人が何らかの組合に加入していて組合員になっていた場合、その地位も相続の対象になりません。この場合、組合から脱退することになるため、組合から出資金の返還を受けることもありますが、返還を受けた出資金については相続財産となり、遺産分割の対象となります。

さらに、以下のものも、一身専属的な権利として相続対象になりません。ただし、これらの義務によって既に具体的になっている支払いがあれば、その部分については相続の対象になります。

委任契約における当事者の地位

被相続人が、誰かと何らかの委任契約をしていた場合、その当事者の地位は相続の対象になりません。たとえば、父親が不動産業者に不動産の売却を依頼していたとき(準委任)、売却前に死亡したとします。この場合、息子と不動産業者との間に契約関係は承継されないので、息子は別途不動産業者と契約を締結することができますし、不動産を売却しないことも可能です。なお、不動産の媒介契約は、純粋な委任契約とは異なりますが、委任に準じて取り扱われる準委任契約と言います。

扶養請求権、義務

扶養請求権も、相続の対象となりません。扶養請求権とは、相手に対して婚姻費用や養育費、扶養料を請求する権利のことです。たとえば、夫婦の場合なら、配偶者に生活費としての婚姻費用を求めることができますし、未成年の子どもを養育していたら、親権者ではない親に対し、養育費の支払いをすることができます。このような扶養料の請求権は、遺産相続の対象にならないので、相続が起こっても、相続人は相手に対して扶養料の請求ができません。たとえば、姉が夫から婚姻費用をもらっていた場合に子どもが相続した場合、子どもが代わりに父親に対して婚姻費用を請求することは認められません。

反対に、扶養料の支払い義務も相続の対象になりません。たとえば、父親が認知した子どもに養育費を支払っていた場合、子どもは養育費の支払い義務を承継しないので、父親の死亡後に引き続いて支払いをする必要はありません。

財産分与請求権

離婚の際、夫婦に共有財産があったら財産分与が行われますが、このときの財産分与請求権も一身専属的な者だと考えられているので、相続の対象になりません。

ただし、慰謝料は相続の対象になります。そこで、財産分与の中でも慰謝料の性質を持った慰謝料的財産分与請求の場合、慰謝料に相当する部分については相続の対象にすべき、という考え方もあります。

生活保護給付受給権、年金受給権

被相続人が生前に生活保護を受給していた場合、その受給権は相続の対象になりません。
年金についても同じです。

身元保証人の地位

被相続人が身元保証人になっていることがあります。身元保証人とは、子どもが会社に入社する際などに、本人が会社に損害を与える場合などに備えて包括的に保証をする人のことです。身元保証人になっていると、本人が横領などの問題を起こして会社に損害を与えたら、会社にその分の損害賠償をしなければなりません。こうした身元保証人の地位は、当事者の個性を重視した信頼関係にもとづくものなので、相続の対象になりません。

既に発生している権利義務は相続の対象になる

以上のように、相続の対象にならない地位や権利、義務であっても、既に具体的になっている部分があれば、それは相続の対象となります。

たとえば、父親が身元保証人になっていたとき、父親の生前に本人が何らかの問題を起こして会社に損害を与えて、具体的な損害賠償債務が発生していたら、その部分については相続されると言うことです。その場合、相続人は、債務の支払をしなければなりません。

ただ、地位自体は相続されないため、その後に新たな義務が発生することはありません。

一身上の権利義務で相手から請求を受けた場合

一身専属的な義務で相続の対象にならない場合でも、債務者が納得せずに相続人に請求してくることがあります。たとえば、父親が認知した子どもに養育費を支払っていた場合などに、子どもが相続人に「代わりに支払をしてほしい」などと請求してくることもあります。

その場合には、「支払い義務はない」と言って、断るべきです。相手が法律問題を理解しておらず納得しないなら、弁護士に相談をして、対応してもらいましょう。「相手が気の毒だから」とか「迷惑をかけたから」などと考えて、義務のない支払いをする必要はないので、適切に対応をしましょう。

ほとんど価値のないもの

ほとんど経済的価値のないものも、相続財産として評価されません。たとえば、被相続人が生前身に付けていた上着やズボン、ネクタイやベルト、時計(高額ではないもの)などは、売却しようとしても値段がつかないことがほとんどです。このような身の回り品などは、特に遺産分割の手続きを経なくても、相続人らが任意で形見分けをしてしまうことで分け合いますし、相続税の課税対象にもなりません。

ただし、その中に高額な貴金属や高級な時計などが含まれていたら、それらは相続財産として評価されるので、注意しましょう。

相続財産になるかならないかわからないなら、弁護士に相談しよう!

弁護士

このように、遺産相続の際には、対象になるものとならないものがあります。祭祀承継財産や一身上の権利義務、経済的な価値のないものは相続の対象になりませんが、どこまでが相続の対象になり、どこからが対象から外れるのかがよくわからないこともあるでしょう。こちらが義務を承継していないと考えているのに、相手が強硬に支払いを請求してきた場合の対応方法も問題です。

また、祭祀承継者を指定するときには、遺言や慣習が明らかではない場合、家庭裁判所での調停や審判が必要になりますが、自分たちでは適切に手続きを進める自信がないケースも多いです。

このように、相続財産に関する問題で困ったことがあれば、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士なら、ケースごとに適切に判断をしてくれて、当事者が不利益を被らないベストな解決方法を提案してくれます。インターネットの法律事務所のホームページなどを検索して、早めに弁護士に相談の申込みをしましょう。

生命保険金と死亡退職金

相続財産として問題になることの多いのが、生命保険金や死亡退職金です。生命保険金とは、生命保険において、被相続人が被保険者となっていた場合に、相続人やその他の人(受取人)が受けとる死亡保険金のことです。死亡退職金は、被相続人が会社などで勤務していたときに死亡すると、会社から支給される退職金です。

これらの生命保険金や死亡退職金は、遺産分割の場面か相続税課税の場面かによって相続財産となるかどうかが変わります。

遺産分割の場面

まずは、遺産分割の場面にどうなるのかを見てみましょう。

基本的に対象にならない

遺産分割の場面では、生命保険金や死亡退職金は、対象になりません。これらのお金は、受取人の固有の財産になると考えられているためです。生命保険金の場合、受取人が誰に指定されているか、ケースによってさまざまです。相続人が指定されていることもありますが、相続人以外の者が指定されていることもあります。

相続人以外の人が受取人のケース

相続人以外の者が生命保険を受けとる場合、それが遺産分割の対象にならないことはわかりやすいでしょう。その人は相続人ではないのだから、生命保険金を全額もらうことができます。

特定の相続人が受取人のケース

これに対し、特定の相続人が受けとる場合、遺産分割の対象になるとすると、第三者が受取人になる場合と比べて不均衡です。そこで、やはりこの場合も受取人(=相続人)固有の権利として、生命保険金は相続人が全額受け取ることができて、遺産分割の対象にはなりません。

指定がなく「相続人」が受けとる場合

それでは、生命保険金の受取人について、「指定がない場合には相続人に支払う」とされていた場合にどうなるのでしょうか?

この場合についても、最高裁は、相続人固有の財産となると判断しています。そこで、やはり相続財産にはなりません(最判昭和40年2月2日、最判昭和48年6月29日等)。
ただ、その相続割合については、それぞれの法定相続分に従うと考えられています(再犯
平成6年7月18日)。

そこで、結局は相続人全員が、割合的に生命保険金を受けとります。たとえば、父親が死亡して2,000万円の生命保険金が出る場合、子どもたち4人が相続するとします。この場合、遺産分割協議をしなくても、子どもたちはそれぞれ500万円ずつの生命保険金を受けとることができます。

例外的に特別受益となるケース

以上のように、生命保険金は原則として相続財産として評価されませんが、例外もあります。生命保険金は、ときに非常に高額になることがありますし、他にほとんど遺産がないケースもあります。そのようなとき、特定の相続人が高額な生命保険金を受けとり、他の相続にはほとんど何も相続できないと、相続人間で著しく不公平になってしまいます。そこで、その生命保険金の金額が多額で、他にほとんど遺産がないなど、生命保険の受取を認めると著しい不公平が発生する場合には、生命保険金を「特別受益」とみなして、遺産相続の対象とすべきであると考えられています。

たとえば、遺産の99%が生命保険金であったケース(東京高裁平成17年10月27日)や、遺産の61%が生命保険金であったケース(名古屋高裁平成18年3月27日)などにおいて、生命保険金を特別受益とする決定が出ています。

相続税課税の場面

以上のように、遺産分割の際には、生命保険金や死亡保険金は、基本的に相続財産として取り扱われませんが、これに対し、相続税課税の場合には、異なる取扱となるので、注意が必要です。

みなし相続財産となる

生命保険金や死亡保険金は、民法上は遺産相続の対象ではありませんが、税制上は相続税課税対象になります。このように、税制上相続財産と「みなす」ので、これらの財産のことを「みなし相続財産」と言います。そこで、生命保険がある場合、受取人は遺産分割協議をせずに生命保険を受けとることができますが、相続税の計算の際には、これを足して計算をしなければなりません。

相続税課税の控除を受けられる

生命保険金や死亡保険金はみなし相続財産として相続税課税の対象になりますが、他の遺産と全く同じ取扱になるわけではありません。みなし相続財産には、大きく相続税の控除が認められます。

具体的には、法定相続人数×500万円分の金額まで、相続税評価の対象になりません。

たとえば、2000万円の生命保険金を受けとったとき、法定相続人が3人いたら、1500万円分まで非課税となるため、残りの500万円だけを相続税課税の対象とします。相続人が4人以上いたら、生命保険については相続税がかからなくなります。

このようなことから、現金や預貯金で資産を残すより、生命保険に加入して生命保険金として受けとる方が相続税の節税になります。死亡退職金も同様です。将来高額な相続税が課税されることが予測される事案では、生命保険への加入や死亡退職金の活用を検討してみると良いでしょう。

相続財産の評価時

相続財産については、評価時も問題となります。相続財産の中でも、現金や預貯金などであれば時間の経過によって評価額が変わりにくいですが、不動産や株式などの場合には、いつを基準にするかによって金額が大きく変わってくるためです。評価時も、遺産分割の際と相続税計算の際で変わってきます。

遺産分割の際の評価時

まず、遺産分割の際には、遺産の評価時は遺産分割時です。そこで、実際に遺産分割協議をして遺産分割するときの時価を基準にしてそれぞれの取得分を計算します。ただし、特別受益については、相続開始時の時価を基準にします。

たとえば、被相続人がAという不動産を残して死亡したケースにおいて、ある相続人が生前に別のBという不動産をもらっていたとします。この場合、Aの不動産については、相続人らが遺産分割するときの時価を調べなければなりませんが、Bの不動産は特別受益となるので、被相続人が死亡したときの時価を調べることになります。被相続人が死亡してから遺産分割協議が成立するまでに時間が経過してしまった場合などには、評価時によって不動産の価格が変わってくるので、特に注意が必要です。

相続税課税の際の評価時

次に、相続税課税の際の遺産評価時を見てみましょう。この場合、「相続開始時」となります。相続税の申告時ではありません。そこで、相続税の計算をするときには、被相続人が死亡した時点における遺産の評価を調べなければなりません。土地の路線価などを調べるときにも、被相続人が死亡した年度の資料をあたって調べることになります。間違って今の路線価を調べると、評価額が変わってしまうので注意しましょう。

相続財産調査とは

遺産相続が起こったとき、すぐにはどのような遺産があるのかがわからないことが多いです。そこで、どのような相続財産があるのかを調べなければなりません。このように、相続財産を調べることを「相続財産調査」と言います。相続財産が確定しないと、遺産分割協議をすることもできませんし、相続税の計算もできないので、相続財産調査は非常に重要な手続きです。以下で、具体的な相続財産調査の方法をご説明します。

相続財産調査の方法

現金

まず、現金の調査方法です。現金は、自宅のタンスや机の引き出し、金庫などに保管されていることがあります。財産がないと思われるような被相続人であっても、自宅に数百万円もの現金を置いている、ということもあるのでよく探しましょう。銀行の貸金庫に現金を入れているケースもあります。

預貯金

次に、預貯金の調査です。これについては、銀行などから通知書が届いていないか見てみましょう。また、自宅の近くの金融機関に当たって、取引がないか調べてみましょう。現在の残高が知りたい場合には、相続人が金融機関に照会を出したら開示を受けることができます。弁護士に依頼すると、数年間の取引履歴を取り寄せて詳細な金銭の出入りを知ることも可能です。

不動産

不動産については、自宅に権利証や登記識別情報、不動産の売買契約書などの書類が残っていることによって判明することがあります。また、役所から固定資産税の納付書が届いていたら、その内容からどのような不動産があるのかがわかります。さらに、市町村役場に行って、固定資産課税台帳(名寄せ帳)の開示を受けると、その市区町村内で被相続人が所有している不動産を調べることができます。名寄せ帳の開示は、被相続人が資産家で特定の地域に多数の不動産を所有しているときに非常に便利な財産調査方法です。

自動車

自動車については、普通、「あるかどうかわからない」ということは少ないです。注意しないといけないのは、車検証の名義です。被相続人が使用していた車であっても、ローン返済中の場合などには車検証の所有名義がローン会社のままになっています。この場合、ローンを完済しないと名義を相続人に変えてもらうことができません。また、ローンを完済していても、手続きをせず名義がローン会社のままになっていることもあります。そこで、自動車があったら、まずは車検証の内容を確認しましょう。被相続人が事業者などで、大量の自動車を所有している場合などには、事業用資産の台帳などを確認して、どのような自動車があるのかを調べましょう。

株式などの有価証券

株式などの有価証券については、証券会社や証券代行会社からの通知書が届いていることをきっかけに判明することが多いです。証券会社に当たりをつけることができたら、相続人の資格により、被相続人がどのような取引をしていたのかを照会することができます。
照会の方法がわからない場合には、弁護士に相談しましょう。

債権

被相続人が誰かにお金を貸していたなど、債権を有していた場合、自宅に契約書などがあるはずです。また、被相続人が交通事故などの被害者になっている場合には示談書がある場合がありますし、被相続人が既に裁判を起こして勝訴判決を得ていた場合には、自宅に判決書がある可能性もあります。こうした、契約書や示談書、判決書などの裁判書類がある場合、何らかの権利義務が承継される可能性が高いです。自分では判断しにくいことも多いので、弁護士のところに書類を持参してチェックしてもらうことをおすすめします。

借金・負債

借金や負債の調査も重要です。これらを相続したくない場合には、家庭裁判所で「相続放棄」や「限定承認」をすることによって支払いを免れることができますが、これらの手続きをするためには、前提として借金の存在を知っている必要があります。借金がないなら、相続放棄しようとは思わないからです。そこで、遺産相続をしたら、必ず借金や負債がないか、調べなければなりません。

まずは、サラ金やカード会社、銀行などの債権者から自宅宛に支払いの請求書が届いていないか、調べましょう。被相続人の死亡によって借金返済が滞納状態になっているので、通常は督促状が届いているはずです。郵便ポストや自宅内の書類の内容を確かめましょう。
また、債権者から電話がかかってくるケースもあるので、被相続人の携帯電話の履歴を確認したり、もし自宅に電話がかかってきたら、応対したりすることも必要です。自宅に借り入れの契約書があることもありますし、何らかの支払いの示談書や判決書(支払い命令)、強制執行の書類などが保管してあることもあります。

これらの書類の見方がわからない場合、やはり弁護士に相談することをおすすめします。

相続財産が確定していないと、遺産分割ができない

相続財産は遺産相続の前提となるものですから、その範囲が確定していないと遺産分割協議をすることができません。このことは、遺産の範囲に争いがある場合も同じことです。ある程度相続財産調査が終わって遺産分割協議をすすめようとしても、ある相続人が「他にも遺産があるはず」と言って譲らない状態だと、遺産分割協議に入ることができません。

これは、「他の相続人が遺産を隠している」と主張されるときに問題になることが多いです。たとえば、ある相続人が「父親の預金は他にもあるはず。兄が隠し持っているから開示すべきだ」などと主張しますが、兄の方は「そんな遺産はない」と言って対立関係になっている場合などです。

また、財産があることは判明しているけれども、その財産が遺産になるのかどうかが問題になるケースもあります。たとえば、自宅内に現金があったけれども、その現金は、被相続人と同居していた相続人の固有のものだと主張されるケースなどです。

相続財産の範囲に争いがある場合の対処方法

では、遺産の範囲に争いがあり、遺産分割協議を進めることができない場合、どのような解決方法をとればよいのでしょうか?

遺産分割調停はできない

この場合、家庭裁判所で遺産分割調停をすることはできません。遺産分割調停は、遺産の範囲が確定している場合に遺産分割の方法を決めるための手続きなので、そもそも遺産の範囲に争いがあったら、利用することができないのです。

遺産確認訴訟が必要になる

そうではなく、まずは、遺産の範囲を確定する必要があります。そこで、遺産の範囲を確認するため、遺産確認訴訟を起こさなければなりません。遺産確認訴訟とは、対象の財産が遺産の範囲に入るかどうかを確認するための訴訟です。

たとえば、他の相続人が遺産を隠し持っていると思うなら、その遺産を特定して、それが被相続人が残した遺産であることを確認するための訴訟をしなければなりませんし、ある財産が被相続人のものか相続人固有のものかで争いがある場合には、やはり遺産確認訴訟によって、遺産の内容となるのかどうか、確認してもらう必要があります。

相続財産の範囲で争いになると、遺産トラブルが長引く

このように、遺産確認訴訟によって遺産の範囲が確認されたら、ようやく遺産分割協議に入ることができます。ただ、遺産分割協議もすんなり進むとは限らず、遺産分割調停や審判になり、非常に長い期間がかかることも多いです。とくに、遺産の範囲でトラブルがあると、お互いに感情的なしこりが残るため、遺産分割協議は難航する可能性が高いです。

遺産相続があったとき、相続財産の範囲について争いが起こると、まず遺産確認訴訟のために最低8ヶ月~1年くらい、その後遺産分割協議や調停、審判などで数年がかかり、最終的に遺産分割ができるまでに3年や5年などの長期間がかかってしまうこともあります。

このようなことのないようにするには、早期に遺産の調査を行い、相続人全員の合意のもと遺産分割協議をすすめて、スムーズに協議を成立させることが必要です。

相続財産に関するトラブルは、弁護士に相談しよう!

以上のように、相続財産に関しては、いろいろな法律的な問題があります。生命保険金のように、遺産分割の場面と相続税課税の場面では取扱が異なるものもありますし、それぞれの遺産の評価基準時についても押さえておく必要があります。相続財産を確定しないと、遺産分割協議を開始することもできませんし、借金があるなら早急に相続放棄しないといけないので、相続が起こったら、まずは相続財産の調査をしっかりと行いましょう。

相続人間で、相続財産の範囲についての争いが起こるケースも多いです。そのようなトラブルを防いでスムーズに相続をすすめるためには、法律のプロである弁護士の力を借りることが大切です。今、相続トラブルで悩んでいる人や、これから相続財産の調査を使用と考えている人は、まずは遺産相続問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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