公社債の評価方法~国債・地方債・社債などの相続

投資のイメージ

公社債とは、国・自治体・会社がお金を貸した記録のこと

公社債という言葉、もしかしたら聞きなれないかもしれません。
簡単に説明すると公債と社債の総称です。公債には国債や地方債などがあります。

公社債は国や地方自治体、会社に貸したお金のことで公社債の記録は有価証券となって残っているはずです。公社債は証券という形での分割が可能であることから遺産分割の対象となりますが、元が一つの債権であることから相続人が共同して名義変更等の手続きが必要です。

お金を受け取る権利は財産と言えなそうですが、相続財産に含まれます。相続税申告の時「よくわからないから」と公社債などの有価証券を放置する人が良くいます。もちろん、相続税がかかるのでしっかりと評価額を計算して申告しなければいけません。

社債と株式は何が違うのか

会社にお金を貸すといえば、株式も同じように会社にお金を出して株の売却でお金が返ってきます。しかし、社債と株式は全くの別物で評価方法も異なります。社債は企業がする借金のこと、一方で株式はあくまで会社に出資したことの証明ですから等価交換です。

株式は企業の部分オーナーとして配当を得られますが、社債の場合は貸したお金に応じた利息を得ます。

一定の債権である社債の価格が変動する理由

社債の計算が面倒なのは株式と同様価格が変動するからです。社債は一定の金額でお金を貸す契約なのに価格が変動するなんておかしな話ですよね。

この理由は社債の二次取引にあります。企業は社債を発行した後、お金を債券の持ち主(債権者)に支払いますが、債権の持ち主が“会社が社債を返済する前に”債券を他人へ売り渡すことも可能です。社債の価格が代わっても会社から払ってもらえるお金は変わりません。もちろん、公債の価格変動も同様です。

このポイントが分からないと公社債の評価額計算の理由が頓珍漢になってしまいます。

公社債は国や会社に貸したお金の借用書であること、公社債は市場での二次取引によって価格が変動すること。この2点を踏まえ、公社債の評価方法を学びましょう。

公社債の評価方法

公社債は市場において金利の高さと社債がちゃんと支払われるリスクからその時の価格が決まります。公社債の相続においては日々変化する価格を定めなければいけません。公社債計算はこのように行います。

そもそも、公社債の種類を見分ける時点でお手上げという人も珍しくありません。

利付公社債

利付公社債とは利息を毎年2回ずつ払ってもらえるタイプの公社債です。このタイプの公社債を計算するときは社債の価格と利息を用いて計算を行います。

基本的には基準となる価格に既経過利息を足して、源泉所得税相当額を引けば評価額が出ます。既経過利息は利子所得に当たるため20.315%の所得税がかかります。

公社債の最小単位が100円であることから実務上は以下のように利息と所得税を差し引きした分を算定します。

(100円あたりの既経過利息-源泉所得税相当額)×(券面額÷100)

要するに100円あたりで出したものを100で割れば券面額をそのまま計算した場合と同じになるわけです。

上場されている利付公社債

上場されている利付公社債は、つねに時価が公開されています。つまり債券の持ち主である被相続人が亡くなった日(相続開始日)の価格がしっかりと分かるわけです。

よって、相続開始日の最終価格に額面当たりの上乗せ分を足します。

具体的な計算方法はこちらです。

相続開始日の最終価格+100円あたりの(既経過利息-源泉所得税相当額)×(券面額÷100円)=評価額
売買参考統計値が公表される銘柄として選定された利付公社債(上場されているものを除きます)

上場されていなくても売買参考統計値がその都度公表される利付公社債なら、性格とはいかなくても大方の評価額が分かります。

よって、この場合は売買参考統計値の平均値に上乗せ分を足して評価額を計算します。

具体的な計算方法はこちらです。

平均値+100円あたりの(既経過利息-源泉所得税相当額)×(券面額÷100円)=評価額
その他の公社債

リアルタイムで時価を把握できず、売買参考統計値も公表されていないとなれば確たる評価額の計算ができません。

よって、ここまで紹介した2パターンに当てはまらない公社債は発行価格に上乗せ分を足して評価額とします。発行価格より参考になるものがないからです。

具体的な計算方法はこちらです。

発行価格+100円あたりの(既経過利息-源泉所得税相当額)×(券面額÷100円)=評価額

割引発行の公社債の場合

割引発行とは額面より低い価格で社債を発行することです。利付公社債と違い、割引分と券面額の差が利息に相当します。割引発行の公社債は割引の差額が小分けに払われないので利付公社債のように上乗せ分を計算する必要が原則ありません。

上場されている割引公社債

上場されている割引公社債は、相続開始日の最終価格が分かります。
よって、このようになります。

相続開始日の最終価格=評価額
売買参考統計値が公表される銘柄として選定された割引公社債(上場されているものと割引金融債を除きます)

こちらは利付公社債と同じく売買参考統計値の平均が基準となります。
よって、このようになります。ここまでは利付公社債に比べて単純ですね。

売買参考統計値の平均値=評価額
その他の割引発行されている公社債

リアルタイムの市場価格や売買参考統計値がない場合は発行価格を参考にしなければいけません。しかし、時間が経過している以上その分の価格は上がっているはずです。

よって、発行価格に「額面との差がどのくらい埋まったとみなすか」を上乗せして評価額とします。具体的な計算方法はこちらです。

{発行価格+(券面額-発行価格)×発行日から課税時期までの日数÷発行日から償還日までの日数}=評価額

例えば、償還日まで半数しか経っていない時は券面額と発行価格の差のうち半額が発行価格に上乗せされます。

利付公社債で出てきた所得税については、割引発行の公社債購入時に支払われているため計算に入れません。ただし、購入額=発行価格-所得税である以上評価額の計算に購入額でなく発行額を使わなくてはいけません。

投資信託の評価方法

人によっては投資信託を利用して株式や公社債を購入している場合もあります。上場されている証券投資信託については上場株式と同様の評価額計算とします。ただし、基準となる日は相続開始した日となる点に注意が必要です。

上場していない証券投資信託の場合はこのように評価額計算を行います。

日々決算型証券投資信託

こちらは日々の決算があり毎月ごとに分配金をもらえるタイプの投資信託でMRF・MMF、中期公債投資信託などが知られています。

こちらは分配金を回収できるためこのような計算になります。

1口当たりの基準価額×口数+再投資されていない未収分配金(A)-源泉所得税額-信託財産留保額および解約手数料=評価額
それ以外の投資信託の場合

日々決算型証券投資信託以外の投資信託の場合は未収分配金が発生しないためこのような計算になります。

1口当たりの基準価額×口数-源泉所得税額-信託財産留保額および解約手数料=評価額

公社債を相続する場合の注意点

公社債を相続する場合にはこのような注意点があります。計算や税の支払いがかなり難しいので、一人でできないだろうと思ったら迷わず税理士や弁護士への相談をお勧めします。相続税の申告は相続開始から10か月です。

評価額計算に手間がかかる

公社債の評価額を計算するためには公社債の種類を見極める、正しい価格と税率で計算するという2つのステップがあります。被相続人が持っている公社債の種類を見極める時点で難しいし、種類を間違えれば評価額と税金も間違えます。

また、評価額を調べるためのプロセスも初心者にとっては非常に複雑で手間がかかります。人が亡くなった時はいろいろな手続きがあると踏まえたうえで自分でやるか、代行するかを決めてください。

公社債は準共有。みんなで合意して処分を決めましょう

公社債はその一部を相続人が勝手に解約や売却することが想定されていません。いわゆる準共有の状態となります。よって、公社債を換金するときやそれぞれが一部ずつ所有するときは相続人の総意で手続きを行います。

ちなみに、準共有とは「モノ以外を共有すること」を言います。

売却によって所得税がかかることも

公社債の価値が購入時より上がっていれば、売却することで所得税が発生します。払い忘れに注意してください。

相続税の申告ミスは追徴税につながります

相続税の申告でミスがあれば税務調査が入り、修正申告が必要となります。修正申告をする場合は本来の相続税に上乗せして追徴税が必要になります。さらに、修正申告が遅れれば延滞税も上乗せされますから、計算ミスなく相続税申告を終わらせたいものです。

ただし、申告ミスに正当な理由があれば追徴税を免れます。

公社債の評価は金融機関や税理士への相談も重要

公社債の評価は区分や計算方法が複雑なので一人で行うことは難しく、非常に時間がかかります。被相続人の死亡についての手続きをスムーズに行う上では専門家の力を借りることが不可欠です。公社債の場合には利用していた金融機関や税理士、弁護士への相談がカギとなります。法律の疑問やトラブルを一人で抱え込む必要はありません。

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