特許権、著作権、電話加入権など「権利」の相続の評価方法

黒電話

故人が持っていた「権利」の相続評価方法は?

被相続人が権利を持っている場合、それが財産と呼べるなら相続財産として評価されます。物体として存在していない財産を、無体財産権(知的財産権)と呼ばれます。相続財産に計算される権利にはこのようなものがあります。どれも、お金に換えることができます。

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 商標権
  • 意匠権
  • 著作権
  • 著作隣接権
  • 電話加入権
  • ゴルフ会員権

逆に言えばお金に換えられない権利は相続財産としての計算に関わりません。また、知的財産権にあたるものであっても一身専属性のあるものならそもそも相続することが不可能です。一身専属性のある知的財産としては著作人格権や実演家人格権などがあります。

特許権の相続

新しい技術を発明した時に与えられる特許権は、特許庁の審査を得た証です。特許を持っていれば他の人が勝手にその技術を使うことを阻止できますし、特許技術を使いたい相手から使用料をもらうことができます。

特許権は被相続人の死亡によって直ちに相続されます。つまり、被相続人が死亡してから特許庁に移転登録申請を行うまでの空白期間は発生しません。移転登録申請のない形で承継できる場合を一般承継と言います。

ただし、一般承継で特許権を受け継いだ場合は可能な限り早く特許権の移転登録申請を行うべきことも法で定められています。

特許権の評価方法

特許権の評価額は特許によって得られるお金となるはずです。しかし、特許権があるからと言って未来にいくらのお金をもらえるかわかりません。

そこで、特許の財産評価をするときは未来にもらえるお金を1年ごとに現在価値という形で計算します。意味は「未来に受け取れるお金を今受け取ったものとして調整した額」です。

受け取っていないお金のせいで相続税が不当に高くならないよう、現在価値は予定される収益の合計より安くなっています。

ゆえに、

特許権の評価額=20年分の現在価値

となります。(医薬の場合は最大25年分)

ここからは現在価値の計算を簡単に説明します。

現在価値は経常的な売り上げ×複利現価率で計算する

まず計算の基礎となる補償金(収益のこと)については、前年までの経常的な収入と今後の需要や持続性などから決定します。つまり、補償金は毎年変わります。

次に基準年利率によって導かれた複利現価率を毎年受け取るはずの補償金にかけ合わせます。補償金と基準年利率は年数によって異なるため1年ごとに現在価値を出さなくてはいけません。複利現価率は、基準年利率に対応する値で後述します。

よって1年ごとの現在価値を20回足し合わせることになります。
その年数に応じて違う値を使用する以上、しょうがないことです。

具体的な数式にするとこうなります

1年目の現在価値+2年目の現在価値+…+20年目の現在価値=特許権の評価額

本当に難しいので、弁護士に相談することが望ましいです。

基準年利率と複利現価率の簡単な説明

もう少し知りたい方のために基準年利率と複利現価率についての簡単な説明をします。

基準年利率 複利現価率
財産評価額を割り引くための値ですが、最近は基準年利率が低く財産評価額が思ったより下がらないのが現状です。 未来にもらえるお金を現在価値に当てはめるための値です。具体的には基準年利率で〇年間お金を運用して補償金と同額に戻るための比率です。

例えば基準年利率が3%の場合、1年目の複利現価率は

1/1.03=0.971

となります。
つまり、971万円を年利3%で運用すると1年で1000万円になるわけです。

同様の条件で2年目の複利現価率を計算すると

1/(1.03×1.03)=0.943

となります。つまり943万円を年利3%で運用すると2年で1000万円になります。

現在の基準年利率による複利現価率は国税庁でチェックできます。

50万円以下なら評価しない

特許権の評価額が50万円以下であれば評価しません。
つまり、相続財産に含めません。

実用新案権・意匠権・商標権の評価方法

特許権と同じ方法で評価される

実用新案権・意匠権・商標権も特許の評価方法に準じて行います。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権を合わせて工業所有権(産業所有権)と言います。

実用新案権とは物品の形状や構造、組み合わせについての知的財産権です。特許と違い、技術そのものでなく形になったものが対象となります。実用新案権は出願の日から10年間存続します。

意匠権はデザインやアートそのものを保護します。意匠権は登録から20年間存続します。

商標権は自社や商品を示すロゴやネーミングなどを保護します。商標権は登録から10年間存続し、10年単位での更新が可能です。

基準年利率や複利現価率はそれぞれの年数に合わせて計算しましょう。

著作権の相続

著作権とは音楽や小説、映画など作品にかかわる権利のうち財産の権利を守るものを言います。一方、著作物を公表する権利や名前を表示する権利などは著作者人格権に分類され相続できません。

もし、著作者人格権が相続できるなら著作者を相続人の名前に変えてしまうことができます。

著作権は当然に相続されるため、特別な手続きは要りません。他の財産と同じように遺産分割協議や遺言によって相続者を決めます。ただし、著作権を分割する場合は文化庁に著作権を移転させるための登録をしなければいけません。

著作権は死後50年存続します。例えばモーツァルトの楽曲は著作権が切れているため誰でも無料で演奏できますが、著作者人格権は生きているため誰かがモーツァルトの曲を自分が作ったものと主張することはできません。

著作権の評価方法

著作権の評価方法はこのように出します。

著作権の評価額=年平均印税収入×0.5×評価倍率

まず、年平均印税収入は前年まで3年間の印税収入を平均して計算します。
次に、評価額を調整するために0.5をかけます。
そして、評価倍率として印税収入が続くであろう機関における基準年利率による複利年金現価率を用います。
実際に印税収入が持続すると思われる期間は著作物に精通した人の意見をもとに判断します。

複利年金現価率とは毎年の複利現価率の合計

この複利年金現価率とは毎年の複利現価率を足し合わせたもので、これを相続から印税収入が持続するまでの期間に合わせて計算します。

特許権の評価額計算と違って著作権は年平均印税収入が毎年続くものと判断するようで、
1年ごとに個別の計算が不要となっています。(それだけ収益が予測しづらいと言えます)
例えば100×2.5も100×1+100×1.5も答えは250になりますよね。

もちろん、複利現価率を年数分足したものですから実際の平均印税収入×年数×0.5より評価額が安くなります。

評価倍率を使う理由は特許権の評価と同様、まだ得ていないお金についての現在における価値を計算するためです。

ちなみに、基準年利率については最後の年数に対応する部分を計算に使います。著作権の場合は7年後以上の基準年利率を使うことが多くなるでしょう。

著作隣接権の評価方法は著作権と同じ

著作隣接権の評価方法は著作権と同じです。例えば音楽プロダクションが持つCDをコピーする権利がこの権利に該当します。

ソフトウェア特許の相続

ソフトウェア特許も工業所有権の一つです。ソフトウェアは情報なので知的財産権によって守られます。ソフトウェアについては基本的に著作権で守られていますが、アルゴリズムにおいてはソフトウェア特許によって守ることができます。

また、ソフトウェア特許の評価によってはこのように行われます。

ライセンス契約による販売の場合は特許権の評価

ライセンス契約によってソフトウェアが収益を上げている場合は特許権と同じような評価が可能です。よって、特許権の評価を用います。

広く販売している場合は著作権の評価

広く販売しているソフトウェアについては収益の判断が難しく、著作権と同様に計算をします。

電話加入権の相続

電話契約の時は電話加入権を購入しています。電話加入権は買取可能な権利のため財産と言えます。ただ、今は数千円ほどしか価値を持っていないため相続税にはほとんど関係ありません。評価額については各地域で確認してください。

ただ、電話加入権を持っていることは事実なので電話の契約名義を変えることや電話の解約が必要になります。

ひかり電話の場合は電話加入権がないためそもそも、電話加入権が問題とならないケースも非常に多いです。

ちなみに、電話番号が珍しい、縁起が良いものである場合は電話加入権を高く買い取ってもらえる可能性があります。

ゴルフ会員権の相続

ゴルフ会員権が相続財産に含まれるせいで、相続税申告をやり直すケースが多発しています。ゴルフをするだけの権利がなぜ財産になるのか疑問に思われるのも無理はないです。

実は、ゴルフ会員権というものは株式の形を取っている場合や退会時に返金がある形を取っている場合が多く市場取引がされています。よって、ゴルフ会員権は資産として相続財産に算入されるのです。

ゴルフ会員権の評価方法は少し複雑なので、こちらの記事をご覧ください。

ゴルフ会員権は売却した場合、その利益が所得税の対象となります。

なお、ゴルフ会員権であっても市場取引されておらず返金もされないタイプであれば相続財産になりません。この点もあわせて覚えておきましょう。

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