遺産相続の権利には時効がある?遺産分割する際の注意

遺産相続 時効

遺産相続に時効期間の問題は付き物です。しかし、時効とはいったいどんなものなのか?相続では時効がどのように関わってくるのか?といった基礎的な部分を理解されている方はあまり多くいらっしゃいません。そこで、時効についての理解はもちろん、相続で必須といえる期限について詳しく解説し、最終的には危機意識を持ってもらえる内容になっています。

時効っていったいどんなもの?

みなさんは時効という言葉をご存じでしょうか?

時効は、法律問題に必ずといっていいほど付いてまわる問題

時効について簡単に説明すると、長い間変わらなかった事実が、たとえ法律上、正当でなかったとしても、正当なものであると認める制度のことです。

たとえば、貸金業者から借り入れたお金の返済を5年以上しなかった場合、その間、貸金業者が時効中断などの法的措置を取っていなかった場合、返済する必要はなくなります。お金の返済を請求する権利を、「貸金請求権」といいますが、上記の例では、この貸金請求権が時効によって消滅してしまったため、返済する必要がなくなったのです。

この時効という制度は、当然、相続の場面でも関連が出てきます。そこで今回は、遺産相続に関連する時効について詳しくご説明していきましょう。

遺産相続に関係する時効は大きく3つ

遺産相続に関係する時効は、大きく分ければ以下の3つになります。

  1. 遺産の受け取りを放棄するとき
  2. 受け取った遺産が不当に少ないとき
  3. 相続税を支払うとき

ここで疑問に感じた方は鋭いと言えますが、実は遺産分割協議には時効がありません。

相続というのは、亡くなった方の遺言書が見つからなかった場合、遺産分割協議によって財産の行方を決めなければならないのですが、これに期限は定められていないのです。

遺産分割請求権に時効はない

遺言書が見つからなかったとしても、相続自体はすでに開始している(相続は人の死亡によって開始する)ため、遺産分割協議をしない場合であっても、すべての遺産は相続人の共有状態になっています。不動産で言えば、たとえ登記簿上の所有権は父のままであっても、所有権自体は相続人である配偶者や子どもが有しているというわけです。

この共有状態を解消するため、財産の行方を話し合うのが遺産分割協議で、これを他の相続人に請求する権利を「遺産分割請求権」といいます。そして、この遺産分割請求権には時効がないため、どれだけ長い期間話し合いがされなかったとしても、勝手に遺産分割が成立することも、権利が消滅することもありません。

遺産分割協議が成立しない限り、相続人はいつでも遺産分割請求権を行使できます。ただし、上述した3つのケースについては、必ず気を配っていなければなりません。1日でも期限が過ぎると、取り返しのつかないことにもなりかねないのが相続なのです。

遺産の受け取りを放棄するとき

相続があったことを知った3ヶ月以内に手続きをしなくてはならない

法律では、遺産の受け取りを放棄することを「相続放棄」、自身の得た財産の利益の範囲でのみ借金を相続することを「限定承認」といいます。この相続放棄と限定承認には、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に判断しなければならないという期限(これを熟考期間といいます)が設けられています。

具体的には、3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄か限定承認する旨を申述し、必要書類の提出と最終的な意思確認の後、効力が適用される流れになっています。

しかし3ヶ月はあっという間・・・

この3ヶ月という期限は、実際に体験してみると考えているより短く、人が亡くなった後の手続きに追われていると、あっという間に期限を迎えてしまいます。相続では不動産や銀行預金といったプラス財産だけでなく、借金といったマイナス財産も対象になっているため、判断が遅れてしまうと多額の借金を相続しかねないのです。

遺品整理などをしながら熟考期間中に相続財産の全貌を把握し、相続放棄や限定承認を利用すべきか否かを判断するようにしてください。

受け取った遺産が不当に少ないとき

受け取った遺産が不当に少なかった場合、他に多くの利益を得ている相続人や受遺者(遺言によって財産を得た第三者)に対し、自身の正当な取り分の請求が可能となっていて、これを「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」といいます。

遺留分というのは、相続人である以上、最低限認められている相続分のこと

たとえば、「第三者に全財産を譲る」といった遺言が残されていた場合、本来は無条件で相続人になるはずの配偶者は1円も相続財産を得ることができなくなってしまいます。こういった場合、遺留分減殺請求によって自身の正当な取り分を請求できるのです。

遺留分減殺請求はたった1年しか期限がない

遺留分を請求する権利を「遺留分減殺請求権」というのですが、この権利は、相続の開始、または不当があったこと(贈与や遺贈など)を知ったときから1年間以内でなければ行使できません。上記の例でいえば、遺言書の内容を知ったときから1年が経過すると、遺留減殺請求ができなくなってしまいます。また、たとえ不当の事実を知らなかったとしても、相続の開始から10年の経過で時効になってしまう点にも注意です。

また、いったんは相手の手元に財産がいってしまっている点、人の死が絡んでいるため感情的になってしまいがちな点を考慮すると、実際に請求するとなれば、最悪の場合、裁判まで想定しなければなりません。容易には解決できないケースも多いので注意が必要です。

相続税を支払うとき

相続では、相続財産が一定以上あった場合に相続税が課税されます。この相続税の申告は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。とはいえ、実際に相続税を納めなければならないほど財産がある方はほとんどいません。

しかし、近年、大規模な税改正が行われたため、相続税の基礎控除額が引き下げられてしまい、従来に比べ相続税申告が必要になる方が増えてしまいました。中には、相続税額を控除する特例などを利用することで課税されずに済む方も多くいますが、控除の特例を受けるには原則、期限内の相続税申告が必須です。

相続税申告は面倒が多い

特例を受けたい場合、納付する相続税がたとえ0円でも相続税申告しなければなりません。さらにいえば、特例を受けるには遺産分割協議の確定が前提となっているため、いくら遺産分割請求権に時効がないからといって、いつまでも放っておくわけにはいかないケースも存在します。後から特例を適用させることも可能となっていますが、そのためにはいったん相続税を納めなければならず、一時的とはいえ自己負担しなければなりません。

また、納付する現金が用意できない場合(遺産が不動産ばかりなど)、分納申請をするなど、煩雑な手続きが山ほどあります。これを10ヶ月という期限内に行わなければならないと考えると、気が滅入るのも無理はありません。

時効の問題は他にもまだまだ・・・

上記のように、相続に関して気を付けておきた時効はおおまかに3つですが、個々の問題ごとにさらに細かく見ていけば、時効の問題はまだまだ出てきます。

しかし、こうした問題は一般の方からすればどうしても危機意識が薄くなってしまうため、気付いたら期限を過ぎていた・・・なんて方も現実には多くいらっしゃいます。とはいえ、時効期間にばかり振り回されていては、本当に大切な相続財産調査や遺産分割協議といった手続きがいつまでも進まなくなる恐れもあるのです。

時効に振り回されるくらいなら専門家に相談を

こうした問題を避けたい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼すれば、相続放棄の期限内に必ず手続きを終えることができますし、遺留分減殺請求がたとえ裁判まで発展しても有利に進めていけます。また、税理士に依頼することで相続税申告も安心して進めてもらえます。
こうした理由からも、時効に振り回されるくらいなら専門家への相談をおすすめします。

もちろんなかなか進まない遺産分割協議の間に入ってもらうこともできるため、専門家のアドバイスをうまく活用して、順序良く問題を解決していきましょう。

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