遺族が受け取れる年金~遺族年金・寡婦年金・死亡一時金

遺族年金

稼ぎ手を亡くした遺族の生活を支えるための年金制度をご存知ですか。まず、年金被保険者であれば遺族基礎年金が、さらに遺族厚生年金がもらえる可能性もあります。遺族基礎年金は条件によってもらえない人もいますがこの場合は寡婦年金や死亡一時金がもらえます。自分がどの条件に当てはまるのか確認しましょう。

遺族年金の種類にはこのようなものがある

遺族年金には遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金があります。(死亡一時金は年金とは言えませんが遺族年金という制度の一部になります。)

さらに、労災保険においては遺族補償年金や遺族補償一時金が設けられています。

年金といえば老齢年金や障碍者年金など本人がもらえるものを想像しますが年金の被保険者が死亡した場合は遺族に対して年金が支払われるのです。

遺族に年金が支払われることは生活を支えになりますが、問題はその難しさ。制度や条件が複雑で一見しただけではどの種類としてお金がもらえるのか迷ってしまいます。

以下ではそれぞれの年金についてわかりやすく解説しますが、前提として知っておきたいのは遺族年金、寡婦年金、死亡一時金はどれか一つしかもらえないという点です。

本記事の途中で疑問を持った場合はこの原則に立ち返ってくださいね。

請求に必要なもの

遺族が年金や死亡一時金を受け取るときにはこのようなものが必要となります。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票の写し(住民票コードの記載があるものが望ましい)
  • 死亡者の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに記載があればそれでも可能)
  • 請求者の収入が確認できるもの(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票など)
  • 子どもの収入が確認できるもの(義務教育終了前は不要、高校生は在学証明書または学生証)
  • 死亡診断書のコピー、請求者の金融機関の通帳(口座番号がわかるもの)
  • 印鑑

手続きは住所地である地方自治体にて行います。

遺族年金の基本となるもの

遺族の受け取れるお金の基本は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。2014年までは夫を亡くした妻に限られていましたが、同年4月からは妻を亡くした夫も遺族年金の対象となりました。ただし、2014年4月以前に父子家庭となった場合は遺族年金が支給されません。

法律が変わった時はその効果が遡及されないからです。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は遺族年金の基礎となる部分です。本来の年金でいうところの国民年金にあたります。よって、国民年金に加入していていることが前提となります。

遺族基礎年金が支給されるための被保険者の条件

遺族基礎年金が支給されるのはこのような人が亡くなった場合です。

  • 国民年金に加入中
  • 60歳以上65歳未満で以前国民年金に加入していた
  • 老齢基礎年金の受給権者(または受給資格を満たしている)

また、平成38年までは以下の条件でも支給されます。

65歳未満かつ死亡日の前々月までに保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あるか、死亡日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(平成38年まで)

遺族基礎年金を受け取れる条件

遺族基礎年金を受け取れる人の条件はこちらです。

  • 18歳未満の子、あるいは20歳未満で障害等級1級または2級を持っている子がいる
  • 5年以内に請求を行ったこと

つまり、遺族基礎年金は「子供が成長するまでもらえる遺族年金」ということです。よって子供のいない、あるいは子供がすでに成長している方は遺族基礎年金をもらえません。

具体的には一番下の子が18歳になった年度末である3月31日までです。

遺族基礎年金の給付額

遺族基礎年金の給付額は77万9300円+子供の数による加算となります。

子どもの数による加算額は第2子までが22万4300円。それ以降が74800円と決められています。

例えば、4人の18歳未満である子供がいるときの年間支給額は

779300+224300×2+74800×2=137万7500円となります。

遺族基礎年金は上の子が18歳を迎えるたびに減っていきます。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は厚生年金保険の被保険者が死亡した場合に受け取れる遺族年金です。遺族厚生年金と遺族基礎年金は重複して受け取ることができます。

厚生年金加入者に限られるため、国民年金のみの加入者がなくなった場合は対象となりません。

また、遺族共済年金は遺族厚生年金として処理されるようになりました。

遺族厚生年金が支給される条件

遺族厚生年金を受け取るための条件はこちらです。

  • 国民年金に加入中の傷病がもとで初診日から5年以内に死亡した
  • 1級や2級の障害厚生年金を受けていた
  • 老齢厚生年金の受給資格をえてから25年以上経っていた

また、平成38年までは以下の条件でも支給されます。

65歳未満かつ死亡日の前々月までに保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あるか、死亡日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(平成38年まで)

遺族厚生年金を受け取れる対象

遺族厚生年金を受け取れる対象はこちらです。

  • 55歳以上の夫、父母、祖父母
  • 18歳未満の子、あるいは20歳未満で障害等級1級または2級を持っている子

遺族基礎年金と違い、妻は支給期限がありません。しかも子がいなくても受給できます。

父母や祖父母、子も受給対象となっているのが特徴的です。
一方、夫は55歳以上という条件が付いています。

遺族厚生年金の支給額

遺族厚生年金の支給額は本来受け取れるはずだった厚生年金の4分の3となります。具体的な額は総合的な判断によって決められます。

すでに年金生活者となっている配偶者が亡くなった場合

遺族厚生年金は支給される期限がありません。よって、年金生活者が死亡した後で遺族厚生年金を配偶者が受け取ることもあります。

この場合はこの3つのうち最も多い支給額を選びます。

  • 自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金(遺族厚生年金を受け取らないパターン)
  • 自分の老齢基礎年金+配偶者の厚生年金×4分の3
  • 自分の老齢基礎年金+お互いの厚生年金の平均をとったもの

選択肢を見てわかる通り、遺族が国民年金のみを受け取っていた場合は配偶者の厚生年金の4分の3をもらう選択肢だけになります。

寡婦年金

寡夫年金は子供のいない女性が受け取れる年金となります。男性は寡婦年金にあたるものを受け取れないため男女格差が見られる年金でもあります。

60歳から65歳まで支給される年金である点が特徴的です。

寡婦年金の条件と支給額

寡夫年金の条件と支給額は以下のようになっています。

寡婦年金の受給条件

寡夫年金の受給対象は妻のみ。このような条件があります。

  • 第1号被保険者として10年間保険料を納めた夫と婚姻期間が10年以上あった
  • 死亡した夫が障害基礎年金の受給権者でなく、老齢基礎年金を受けたこともない
  • 繰り上げで老齢基礎年金を受給していない
  • 5年以内に請求している

つまり、夫が自営業者であった妻が受給対象となるわけですね。

寡婦年金の支給額

寡夫年金の支給額は夫が本来受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3です。

配偶者が会社員だったけど子供がいない場合は?

寡婦年金と聞くと子供のいない妻を想像しますが、寡婦年金の条件は厚生年金に加入していない夫を持っていた妻に限られます。

例えば配偶者が会社員であった場合はどうなるのでしょうか?

このときは、遺族厚生年金を寡婦年金の代わりにもらえます。遺族厚生年金と寡婦年金はどちらかしかもらえないのです。

中高齢寡婦加算とは

さらに寡婦が遺族厚生年金を受け取る場合は中高齢寡婦加算がもらえます。中高齢寡婦加算は40歳から65歳までの間、遺族基礎年金の4分の3が支給されるものです。

こちらも寡夫には設けられていない制度です。

死亡一時金

家族が死亡した時に受け取れるお金として死亡一時金というものがあります。こちらは1回だけもらえるものですから年金とは違いますね。

死亡一時金は保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円まで受け取れます。

死亡一時金の条件

死亡一時金を受け取れる条件はこちらです。

  • 第一号被保険者として36か月保険料を納めていた家族を亡くした
  • 遺族基礎年金、寡婦年金どちらの支給条件も満たしていない
  • 老齢基礎年金や障害基礎年金も受け取っていない
  • 亡くなった人と生計を同じくしていた
  • 2年以内に請求をした

この条件を見ても分かる通り、死亡一時金を受け取れる人は配偶者に限られていません。

ただし、死亡一時金を受け取れる人には優先順位があります。

配偶者
  1. 子ども
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
生死不明の場合は?

生死不明の場合は失踪宣告の審判が確定した翌日から請求期限の2年が起算されます。この場合も死亡一時金の申請を忘れないでください。

労災によって死亡した場合の遺族年金

遺族年金は年金保険の他に労災保険によって支給される年金があります。労災が認められた場合には遺族補償年金を受け取ることができます。

さらに、遺族特別支給金、遺族特別年金を受け取ることができます。

労災による遺族年金は配偶者に限定されず、死亡一時金と同じように生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、および兄弟姉妹が受給資格者となります。ただし、妻以外は優先順位や条件が細かく定められています。(同じ順位にあるものが複数いる場合は平等に分けます)

夫も、55歳以上という年齢制限があります。

遺族補償年金

労災で死亡した人の遺族が受け取れる基本となるお金が遺族補償年金です。こちらは基本給の額を遺族の数に応じた給付基礎日数で調整したものです。

前払いで受け取ることも可能

遺族補償年金は希望に応じて前払いで受け取ることができます。これを遺族補償年金前払一時金といいます。1000日、800日、600日、400日、200日分のいずれかを選択でき、前払いされた後はその分が本来支払われるはずだった期間まで支給停止されます。

遺族厚生年金との二重給付となる場合

遺族厚生年金との二重給付となる場合は遺族補償年金が8割になります。これは遺族補償年金と遺族厚生年金の二重給付によって本来の賃金を超えてしまうことを防ぐためです。

遺族特別支給金

遺族特別支給金は遺族の社会復帰を促進するために支払われる一時金で、一律に300万円受け取ることができます。受給権者が複数いる場合は平等に分けます。

遺族特別年金

さらに、遺族特別年金として特別給付分の年金が支払われます。平たく言えばボーナスの補填です。

遺族特別年金は遺族補償年金と同額もらえます。遺族補償年金の前払いをしてもこちらは支給停止になりません。

遺族補償一時金

遺族補償一時金は遺族補償年金を受け取る資格を持つ人がいない場合に受け取ることのできるお金です。遺族補償年金がもらえない以上、遺族特別年金がもらえませんが遺族特別支給金はもらえます。

遺族補償一時金は給付基礎額の1000日分、さらに算定基礎日額の1000日分で計算した遺族特別一時金がもらえます。

「遺族補償年金を受け取る資格を持つ人がいない」とは、亡くなった人とだれも生計を同じくしていなかったということです。

遺族年金を正しく受け取るために、弁護士に相談を

家族はみんなで支えあうもの。特に生計を支えてくれた人が亡くなってしまうと仮定の維持さえ難しくなってしまうのが現状です。遺族年金は配偶者のため、そして子どものために遺されたものです。効果的に活用してください。

制度は複雑ですが、正しく申請すれば正しく受け取ることができます。遺族年金や寡婦年金は5年、死亡一時金は2年という請求期限があるのですぐにでも法律のプロである弁護士に相談しましょう。

遺族年金がもらえるのか、仮にもらえるとしたらどれにあたるのかを判断してもらうだけでも次の行動につながります。地方自治体での手続きをする余力がないときも弁護士が力になってくれます。

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