遺留分とは|遺留分の仕組みを徹底解説!相続財産の遺留分で悩んだら弁護士に相談を

遺留分の計算

遺言や贈与があると、本来の法定相続人であっても遺産相続ができなくなることがありますが、そのようなとき、遺留分減殺請求をすることによって最低限の遺産をもらうことができます。遺留分減殺請求には1年の期限があり、請求後には相手との間で遺留分の返還方法を決めないといけません。トラブルも多いので、困ったときには弁護士に相談しましょう。

遺留分とは

遺留分は、相続人に認められる最低限の権利

遺産相続をするときには、法定相続人が法定相続分に従って遺産を受け継ぐのが基本です。しかし、遺言や贈与があると、法定相続人であっても十分な遺産を受け取れなくなることがあります。たとえば、父親が死亡したとき、子どもには遺産相続権がありますが、父親が愛人に全部の遺産を遺言で遺贈してしまったら、子どもであっても遺産をもらえなくなってしまいます。

このようなときに、子どもが主張できるのが、「遺留分」です。

遺留分とは

遺留分とは、一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限の遺産取得分のことです。民法は、被相続人と密接な関係のある人を法定相続人と定めて遺産相続をさせることにより、なるべく被相続人に近かった人が多くの遺産を引き継げるように配慮していますが、反面、被相続人自身の意思も尊重しなければならないので、遺言や贈与によって財産を処分する自由も認めています。

しかし、完全に自由な処分を認めてしまったら、相続人の期待があまりに裏切られてしまうので、法律は、一定の範囲の近しい相続人に遺留分を認めたのです。

遺留分は遺言でも侵害できない

遺留分は、遺言に優先することが法律上でもはっきりしています。民法では、遺言によって相続人の相続割合を自由に決定することを認めていますが(民法902条1項)、但し書きにおいて「ただし、遺留分に関する規定に違反することができない」と明示しています。そこで、遺言によっても遺留分を侵害することはできないのです。

遺留分を侵害する遺言はできないのか?

それでは、遺留分を侵害する遺言をすることはできないのでしょうか?遺言によって遺留分を侵害することが許されないなら、そもそもそのような遺言は無効になってしまうような気もします。

実は、遺留分を侵害する内容の遺言もできますし、そういった遺言が有効になり、遺留分を侵害する内容で遺産分割や相続が行われてしまうこともあります。このことは後で詳しく説明しますが、遺留分を請求するには、侵害された人が遺留分の権利主張をしなければならないからです。遺留分を侵害する内容の遺言があっても、侵害された相続人が何も文句を言わなければ、その遺言はそのまま有効になってしまいます。

その場合、せっかく遺留分があっても、その法定相続人は遺産を受け取れなくなってしまうので不利益を受けます。自分に遺留分があることがわかったら、できるだけ早く遺留分の請求をすべきです。

遺留分を認められる人

次に、遺留分はどのような人に認められるのかを見てみましょう。

これについても、民法に定めがあります。具体的には、兄弟姉妹以外の法定相続人です。基本的には、配偶者と子どもと親ですが、これらについての代襲相続人にも遺留分が認められます。たとえば、子どもが被相続人より先に亡くなっていたら孫が代襲相続しますが、このとき孫にも子どもと同じ割合の遺留分が認められます。代襲相続人は、被代襲相続人の地位をそのまま引き継ぐものだからです。

遺留分請求できない人

それでは、反対に遺留分請求ができないのは、どのような人なのでしょうか?以下で見てみましょう。

兄弟姉妹

兄弟姉妹が相続人になっている場合には、遺留分の請求が認められません。兄弟姉妹は子ども、親に継ぐ第3順位の法定相続人ですが、子どもや親などの直系の親族と比較すると、被相続人との関係が薄いためです。兄弟姉妹の子どもである甥や姪が代襲相続人になっている場合にも、兄弟姉妹の地位をそのまま引き継ぐため、遺留分はありません。

相続放棄した人

次に、相続放棄をした人についても、遺留分は認められません。相続放棄した人とは、家庭裁判所において、相続放棄の申述をした人のことです。単に念書で「相続しません」などと書いた人のことではありません。

相続放棄とは

相続放棄とは、遺産相続を一切しないことです。この場合、預貯金などのプラスの財産だけではなく、借金その他の負債も一切相続しなくなります。被相続人が債務超過であったケースなどでよく利用されます。相続放棄をするためには、家庭裁判所で相続放棄の申述をして、相続放棄を許可してもらう必要があります。これが認められると、その人ははじめから相続人ではなかったことになるので、遺産相続権の一切を失い、遺留分も認められなくなります。

相続放棄をしたら、その人は初めから相続人ではなかったことになるので、代襲相続も起こりません。たとえば、子どもが相続放棄をした場合、孫が代襲相続することはなく、孫にも遺留分請求をすることは認められません。

相続欠格者

次に、相続欠格者も遺留分の請求が認められません。相続欠格者とは、一定の事由があったために当然に相続権を失った人のことです。

相続欠格者になるのは、以下の場合です(民法891条)。

  • 相続人が被相続人や同順位以上の相続人を殺害して有罪となった
  • 相続人が、被相続人の殺害を知っても刑事告訴しなかった
  • 相続人が被相続人に無理矢理遺言を書かせた、または訂正させた
  • 相続人が遺言を隠した、または処分した

これらにあてはまる場合、何もしなくてもその相続人は当然相続欠格者となります。相続欠格者になったら、その人は遺産を相続できなくなるので、遺産の一部を取得する権利である遺留分も請求することができません。

ただ、相続欠格者の場合には、欠格事由はその人の固有の問題ですので、代襲相続は起こります。代襲相続人には欠格事由がないのであれば、普通通りに相続ができますし、遺留分を主張することもできます。この点は、相続放棄と違います。

相続人として廃除された人

次に問題になるのは、相続人として廃除された人です。相続人の廃除とは、著しい非行があった場合に、その相続人から相続権を奪うことです。

相続人の廃除が行われるのは、以下のようなケースです。

  • 相続人が被相続人に虐待行為や重大な侮辱行為をした場合
  • 推定相続人に著しい非行があった場合

たとえば、相続人が被相続人に暴力を振るったり侮辱したりした場合、相続人が重大な犯罪を犯して刑罰を受けた場合、相続人が浪費や度重なる借金などによって被相続人に多大な迷惑や負担をかけ続けてきた場合などには、相続廃除が認められる可能性があります。

廃除するためには家庭裁判所への申立が必要

ただし、相続人の廃除は、該当する事由があっても当然に認められるものではありません。相続人自身が、特定の相続人を廃除する意思をもって、家庭裁判所に推定相続人廃除の申立をする必要があります。このとき、廃除の理由があることも証明しなければなりません。廃除の理由があると認められたら、家庭裁判所において相続人の廃除の審判が下されて審判書が送付されてきます。それを市町村役場にもっていったら、相続人の廃除ができます。

遺言によっても相続人の廃除をすることができます。その場合には、遺言執行者を選任し、遺言執行者によって相続人廃除の申立をしてもらう必要があります。

このように、相続人の廃除をするときには、家庭裁判所への審判申立が必要ですし、役所への届けでも必要である点が、相続欠格と大きく異なります。役所に届け出たら、廃除された相続人の戸籍に廃除の記載がなされるので、後から見ても廃除されたことが明らかになります。

廃除の取消も可能

また、いったん相続人の廃除をしても、後に廃除の取消をすることも可能です。相続人の廃除をされた場合には、その人は相続権を失うので、遺留分を請求することもできなくなりますが、廃除の取消をしてもらったら、相続権を取り戻すので遺留分の主張もできるようになります。相続人の廃除の取消は、遺言によっても行うことができるので、生前に相続人廃除されていた人であっても、遺言によってそれが取り消されていたら、遺留分減殺請求ができる可能性があります。

また、相続人の廃除の場合、代襲相続人は廃除事由とは無関係ですから、遺産相続権を取得します。そこで、被代襲相続人が相続人として廃除されていても、代襲相続人は遺留分を請求することができます。

相続放棄、相続欠格、相続人廃除の違い

以上のように、相続放棄と相続欠格と相続廃除の3つを比較したとき、どの場合であっても本人は遺留分を請求できなくなりますが、代襲相続人の取扱は異なります。相続放棄の場合には代襲相続人も遺留分を請求できませんが、相続欠格や相続人廃除の場合には代襲相続人は遺留分の請求ができます。

さらに、相続人廃除の場合、廃除を取り消してもらったら、本人であっても遺留分減殺請求できるので、この点でも他の2つの制度と異なります。

遺留分の放棄をした人

遺留分の請求は、遺留分の放棄をした場合にもできなくなります。遺留分の放棄とは、相続全体を放棄するのではなく、遺留分のみを放棄することです。遺留分を放棄しても相続権自体はあるので、自分に相続分があれば、遺産分割協議に参加して遺産を取得することができます。

たとえば、遺留分を放棄しても、被相続人が遺言を残しておらず、死因贈与や生前贈与もしていなければ、自分の相続分には何の影響もないので、普通に遺産分割協議をして権利に相当する分の遺産をもらうことができます。

遺留分の放棄には、生前に行うものと死後に行うものがあり、大きく手続きが異なります。

生前の遺留分の放棄

被相続人の生前に、相続人予定者が遺留分の放棄をすることもできます。ただし、この場合、被相続人から不当な圧力を受けるおそれがあります。そこで、生前に遺留分を放棄するためには、家庭裁判所の許可が必要とされています。

具体的な手続きとしては、被相続人の居住地を管轄する家庭裁判所において、遺留分放棄の申立を行います。このとき、被相続人の戸籍謄本と相続人の戸籍謄本を添付して、800円の収入印紙を添えて「遺留分放棄の申立書」を提出します。すると、家庭裁判所で審判が行われ、問題がなければ遺留分の放棄が認められます。

遺留分の放棄ができる人

遺留分放棄の申立ができるのは、遺留分をもった相続人本人のみです。これは、他人からの不当な干渉を防ぐためです。そこで、被相続人やその他の親族などからの申立は認められません。また、兄弟姉妹には遺留分が認められないので、遺留分放棄の申立はできません。

死後の遺留分の放棄

被相続人の死後に遺留分放棄をする方法は、とても簡単です。この場合、特に家庭裁判所への申立や許可などは不要であり、単に他の法定相続人と話し合いをして、自分は遺留分を請求しないことを確認したら、遺留分の放棄ができます。遺留分放棄を明らかにするために「遺留分を請求しません」「遺留分を放棄します」などと記載した書面を作成することもあります。以上のように、遺留分の放棄をしたら、当然遺留分請求をすることはできません。

代襲相続者について

それでは、遺留分の放棄をした人の代襲相続者は遺留分請求をすることができるのでしょうか?この場合、代襲相続者は遺留分を放棄した本人ではないので、遺留分を請求できるようにも思えます。しかし、法律は、これを否定しています。

代襲相続人は、被代襲相続人の地位を引き継ぐので、既に被代襲相続人が遺留分放棄をしてしまっている以上、代襲相続人も遺留分放棄したのと同じ立場になると考えられるのです。

遺留分と代襲相続の関係まとめ

このように、遺留分と代襲相続の関係は、非常にわかりにくい部分があります。まとめると、相続放棄の場合にはそもそも代襲相続しませんし、遺留分放棄の場合には代襲相続は起こりますが、代襲相続人は遺留分を請求できません。これに対し、相続欠格や相続人廃除の場合には、代襲相続が起こり、遺留分の請求も可能だということになります。

遺留分の放棄をするケースとは?

生前に遺留分のみの放棄をすることができると説明しましたが、そんな制度を何のために利用するのかがイメージできないこともあるでしょうから、以下で、遺留分の放棄を利用するケースやシチュエーションについて、説明します。

ずばり言うと、兄弟姉妹以外の法定相続人に遺産相続をさせたくない場合です。たとえば、兄弟3人が相続人になっていて、長男に遺産を集中させたいから次男や妹に遺産の放棄をしてもらう場合などが、シチュエーション例として考えられます。この場合、遺留分の放棄以外では対処が難しくなります。以下で、詳しく見てみましょう。

生前の相続放棄はできない

特定の相続人に相続をさせたくない場合、まず思いつくのは、相続放棄をしてもらう方法ですが、相続放棄は、相続開始前には認められません。

相続人廃除ができるケースは限定されている

次に相続人の廃除も考えられますが、廃除が認められるには相続人に非行があることが必要なので、問題のない相続人を廃除することはできません。

遺言をしても、遺留分があることが問題になる

そこで、遺言を利用します。遺言によって、特定の相続人以外の人に相続させたり遺贈をしたりすると、その相続人には遺産を相続させずに済みます。しかし、兄弟姉妹以外の法定相続人には遺留分が認められます。いくら遺言によって相続させないことにしていても、自分の死後にその相続人が遺留分請求をしてしまったら、相続権を完全に奪うことはできません。

遺言と遺留分の放棄を組み合わせたら、相続させないことができる

そこで、その相続人に遺留分の放棄をしてもらいます。その上で、その相続人に遺産を残さない内容の遺言をしたら、遺産相続されることがなくなります。冒頭の兄弟3人が相続するケースでも、弟や妹が遺留分放棄をしてくれたら、父親は長男にすべての遺産を残す内容の遺言をしたら、すべての遺産を長男に残すことができるのです。

なお、遺留分の放棄ができるのは、兄弟姉妹以外の法定相続人のみです。兄弟姉妹には遺留分が認められないので、兄弟姉妹に遺産を残したくない場合には、それらの人に遺産を相続させない内容の遺言書を書けば目的を達成することができます。

遺留分が認められるかがわからない場合、弁護士に相談しよう!

以上のように、遺産相続をするとき、遺留分が認められるケースと認められないケースの区別は、非常にわかりにくくなることがあります。兄弟姉妹に遺留分が認められないのはわかりやすいですが、それ以外にも相続放棄した場合にも遺留分が認められませんし、相続欠格者になった場合、相続人廃除をされた場合などには、代襲相続も問題となります。

遺留分のみの放棄をすることもできますが、生前に遺留分の放棄をするときには家庭裁判所の許可が必要です。

このように、遺留分が認められるかどうかがわからない場合、自分で間違った解釈をすると、トラブルのもとになります。迷いがある場合には、一度弁護士に相談をして、本当に遺留分が認められるのか、認められるとしたらどのくらいの遺留分があるのかを聞いてみると良いでしょう。

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遺留分減殺請求の対象

遺留分を請求することを、法律上「遺留分減殺請求」と言います。そこで、以下では、遺留分減殺請求の対象となる財産はどのようなものなのかを確認しましょう。

具体的には、「遺贈」と「死因贈与」「生前贈与」の3種類があるので、順番にご説明します。

遺贈

遺贈とは、遺言によって遺産を分与することです。たとえば、相続権のない孫や愛人、お世話になった人に遺産を残す場合などに利用します。遺言によって孫や愛人に全部や大部分の遺産を分与してしまったら、本来の法定相続人が遺産を満足に受けとることができなくなるので、法定相続人は遺留分を請求することができます。

このとき、遺留分減殺の対象になるのは、各遺産の価格の割合に応じます。たとえば500万円の遺贈と300万円の遺贈があった場合に100万円分の遺留分減殺請求があったら、500万円の遺贈に対して100万円×8分の5=625000円、300万円の遺贈に対して100万円×8分の3=375000円となります。

ただし、遺言者が遺留分減殺の順序を指定していたら、その順序に従います。たとえば、遺言者が「先に300万円の遺産から遺留分減殺するように」と指定していたら、300万円の遺贈から先に100万円分の返還を行うことになります。

死因贈与

次に、死因贈与があります。死因贈与とは、死亡を原因として財産を贈与する贈与契約です。契約なので、遺贈とは異なり、受贈者と贈与者の双方が合意することが必要です。遺言とは異なり厳しい要式はありませんが、実際には契約書がないと、死因贈与契約があったとは認められないのが普通です。死因贈与は贈与とは言っても、遺言と同じように扱われることが多いです。死因贈与があった場合にも、遺留分減殺請求の対象になります。

生前贈与

生前贈与があった場合にも、遺留分減殺請求の対象になることがあります。生前贈与とは、贈与者が生きている間にその財産を相続人予定者に贈与する契約です。生きている間に所有権を移転してしまう点が、死亡と同時に移転する死因贈与と異なります。また、生きている間ならいつでもできるので、死亡に近い時期に贈与されていることもあれば、何十年も前に生前贈与されている例もあります。

生前贈与の中でも遺留分減殺請求の対象になるのは、死亡前1年以内に行われた贈与です。ただし、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知りながら贈与をした場合には、1年より前の生前贈与であっても遺留分減殺請求の対象になります(民法1030条)。

遺留分減殺請求の順序

以上のように、遺留分減殺請求の対象には、遺贈、死因贈与、生前贈与の3種類がありますが、減殺請求の順序があります。

具体的には、「遺贈を先に遺留分減殺請求して、それでも足りない場合に贈与を対象にする」ことが民法によって定められています(民法1033条)。これは、遺贈は死亡と同時に一方的に行われるものであるのに対し、贈与は生前に行われたり、当事者双方の合意によって行われたりするものなので、贈与を減殺対象にすると影響が大きくなってしまうからです。

そこで、遺留分減殺請求をするとき、まず、対象にするのは遺言による遺贈です。次に減殺請求の対象になるのは、死因贈与です。死因贈与は、生前贈与に比べて遺贈に近い性質を持っているからです。そして、最後に減殺請求するのが生前贈与です。これから遺留分減殺請求をするときには、是非とも押さえておきましょう。

遺留分の割合

次に、遺留分の割合について、見てみましょう。

遺留分の割合は、「直系尊属のみが法定相続人になる場合には3分の1、それ以外のケースでは2分の1」と定められています(1028条)。

直系尊属というのは、親や祖父母などの直系で上にたどっていく場合の相続人です。通常は、親か祖父母までになることが多いです。そこで、親や祖父母だけが相続人になる場合には、それらの人には、遺産全体の評価額の3分の1の遺留分が認められます。それ以外のケースは、すべて遺産全体の評価額の2分の1が遺留分割合となります。

たとえば、配偶者のみが相続人になる場合、配偶者と子どもが相続人になる場合、子どものみが相続人になる場合、配偶者と親が相続人になる場合、配偶者が兄弟姉妹が相続人になる場合など、すべて2分の1です。このことは、代襲相続のケースでも同じです。

相対的遺留分と個別的遺留分

このような全体的な遺留分のことを、相対的遺留分と言います。相対的遺留分とは、そのケースにおいて、すべての相続人全体に認められる遺留分です。具体的に1人1人の遺留分を計算するためには、相対的遺留分を個別の相続人に割り当てて、個別的遺留分を計算する必要があります。

ケースごとの遺留分の割合

それでは、配偶者や子ども、親などが相続人になる場合、それぞれの個別的遺留分はどのくらいになるのでしょうか?以下で見てみましょう。

配偶者のみ

まずは、配偶者のみが相続人になっている場合です。この場合、全体で認められる遺留分は2分の1です。そして、配偶者1人が相続人ですから、その遺留分はすべて配偶者のものとなります。よって、配偶者の個別的遺留分も2分の1となります。

配偶者と子ども1人

次に、配偶者と子どもが法定相続人になる場合を見てみましょう。この場合、まず、全体の遺留分は2分の1です。そして、配偶者と子どもの法定相続分は、それぞれが2分の1ずつとなります。そこで、相対的遺留分を法定相続分に応じて分配します。

具体的には、配偶者の遺留分が2分の1×2分の1=4分の1、子どもの遺留分が2分の1×2分の1=4分の1となります。

配偶者と子ども2人

それでは、配偶者と子ども2人が相続人になる場合を考えてみましょう。この場合、全体の遺留分である相対的遺留分は、やはり2分の1です。そして、配偶者と子どもたちの法定相続分は、配偶者が2分の1、子どもたちの分がそれぞれ2分の1×2分の1=4分の1となります。

すると、配偶者の遺留分は、2分の1×2分の1=4分の1ですが、子ども1人1人の遺留分は、2分の1×4分の1=8分の1となります。

子どものみ

次に、子どものみが法定相続人になっているケースを見てみましょう。この場合、全体の遺留分は2分の1です。そこで、子ども1人のケースであれば、子どもは2分の1の遺留分を取得します。子どもが2人いたら4分の1ずつ、子どもが3人いたら6分の1ずつ、などとなり、子どもの数で頭割り計算をします。

配偶者と親

次に、配偶者と親が法定相続人になるケースを見てみましょう。この場合、親も相続人となりますが、配偶者も法定相続人なので、全体の遺留分は2分の1です。そして、配偶者と親の法定相続分は、それぞれ3分の2、3分の1です。

そこで、配偶者と親の個別的相続分は、配偶者の分が2分の1×3分の2=3分の1、親の分は2分の1×3分の1=6分の1となります。

親のみ

親のみが法定相続人になるケースを見てみましょう。祖父母や曾祖父母の場合でも同じです。この場合、全体の遺留分は3分の1です。全体の遺留分である相対的遺留分が3分の1になるケースは、遺留分が発生するパターンの中でも、このパターンのみです。他はすべて2分の1なので、押さえておくと役立ちます。

そして、親が1人の場合には、その親の個別的な遺留分は相対的遺留分と一致し、3分の1です。親が2人いる場合、それぞれの法定相続分が2分の1なので、個別的遺留分は、3分の1×2分の1=6分の1ずつとなります。

配偶者と兄弟姉妹

最後に、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になるケースを見てみましょう。この場合、兄弟姉妹も相続人になっていますが、配偶者も相続人となっているため、配偶者に遺留分が認められます。そして、この場合、全体で認められる遺留分は2分の1です。

兄弟姉妹には遺留分が認められないので、この遺留分はすべて配偶者に割り振られます。そこで、配偶者の個別的な遺留分も、2分の1となります。

以上の結果を表にまとめると、以下のとおりです。

相続人 相対的遺留分(全体の遺留分) 個別的遺留分(それぞれの相続人の遺留分)
配偶者 子供
配偶者のみ 2分の1 2分の1 なし なし
配偶者と子供 2分の1 4分の1 4分の1 なし
子供のみ 2分の1 なし 2分の1 なし
配偶者と親 2分の1 3分の1 なし 3分の1
親のみ 3分の1 なし なし 3分の1
配偶者と兄弟姉妹 2分の1 2分の1 なし なし

兄弟姉妹のみが法定相続人になる場合

補足として、兄弟姉妹のみが法定相続人になる場合、遺留分は0です。

遺留分計算のモデルケース

ここで1つ、遺留分計算の具体的なモデルケースを確認しておきましょう。

ある男性がなくなり、妻と子ども2人が相続人となる場合です。父親は、5000万円の遺産を残しましたが、愛人に4000万円の不動産や預貯金を与えてしまいました。この場合、配偶者や子どもたちは、誰にどのような請求をすることができるのでしょうか?

まず、配偶者と子どもたちには1000万円の遺産しか残されません。具体的には、配偶者が1000万円×2分の1=500万円、子どもたちはそれぞれ1000万円×4分の1=250万円しかもらえません。そこで、妻と子どもたちは愛人に遺留分減殺請求をすることにしまあう。

この場合、配偶者と子どもが相続人になる場合なので、全体の遺留分は2分の1です。そして、配偶者の個別的遺留分は4分の1、子どもたちの個別的遺留分は8分の1ずつです。

そこで、妻には5000万円×4分の1=1250万円分の遺留分があります。そこから、妻が遺産として受けとった500万円を引いて、愛人に対し、750万円分の遺産の返還を請求することができます。子どもたちはそれぞれ、5000万円×8分の1=625万円分の遺留分があります。ここから受取済の250万円を引いて、愛人に対し、375万円分の遺産の返還を請求することができます。

遺留分が問題になるシチュエーション例

相続人同士や受遺者との間で遺留分問題が発生すると、相続はトラブルになりやすいですが、遺留分が問題になりやすいシチュエーションにはどのようなものがあるのでしょうか?以下で見てみましょう。

親が長男に全部の遺産を分与

まず、子どもが複数いて、親が特定の子どもにすべての遺産を遺贈してしまうケースでは、遺留分問題が起こりやすいです。たとえば子どもが3人いる場合、家を継ぐ長男に対して父親がすべての遺産を分与してしまう場合などです。この場合、他の兄弟には2分の1(1人1人は4分の1ずつ)の遺留分が認められるため、父親の死後に長男に対して遺留分減殺請求をして、兄弟間でトラブルになってしまいます。

父親が愛人に遺産を分与

次に問題になるのは、法定相続人以外の人に遺産を分与してしまった場合です。わかりやすい例では、愛人にすべての遺産を遺贈した例などがわかりやすいです。父親がすべての遺産を愛人に遺贈したら、妻や子どもたちは我慢できないことが多いでしょう。そうなると、妻や子どもたちが愛人に遺留分請求をして、トラブルが発生します。

今の子どもにすべての遺産を分与

被相続人が再婚していて、前の配偶者との間に子どもがいる場合でも、遺留分が問題になりやすいです。この場合、今の子どもにすべての遺産を分与する内容の遺言をすることがありますが、その場合、前妻(前夫)の子どもにも遺留分が認められます。すると、前の配偶者の子どもが今の配偶者の子どもに遺留分減殺請求をして、トラブルに発展します。

夫が妻にほとんどまたはすべての遺産を分与

相続人が配偶者と親のみである場合にも、遺留分問題が発生しやすいです。たとえば、夫としては妻の将来を思って、すべての遺産を妻に残す内容の遺言を残すことがあります。すると、親には3分の1の遺留分が認められるので、親が妻に対して遺留分減殺請求をする可能性があります。特に結婚して日が浅い場合や、妻と実家の折り合いが悪いケースなどでは注意が必要です。

遺留分の計算に迷ったら弁護士に相談しよう!

以上のように、遺留分が発生する場合でも、誰にどのくらいの遺留分が認められるのかという計算は複雑です。どのような相続人がいるのかによっても計算方法が変わってきますし、具体的に相手に遺留分減殺請求をするときには、どの遺産から返還してもらうべきかという問題もあります。

いったん遺留分に関するトラブルが起こったら、兄弟間や親族間でも熾烈な争いに発展してしまいます。愛人や腹違いの兄弟などが相手になるケースもありますが、そういった場合もお互いに感情的になってしまうために、話合いでスムーズに解決できないことが多いです。遺留分の計算や請求の場面で困ったら、専門家である弁護士に対応を依頼する方法がベストです。無料相談などを上手に利用して、疑問点を解消しましょう。

遺留分減殺請求の手順

次に、具体的に遺留分減殺請求をする際の手順を確認していきましょう。

遺留分減殺請求の相手

遺留分を請求することを「遺留分減殺請求」と言いますが、その相手は、遺贈を受けた人(受遺者)や死因贈与を受けた人、生前贈与を受けた人です。遺留分請求するときには、これらの遺留分侵害者に対して、順番にアクションを起こしていきます。

内容証明郵便を送付

まずは、遺留分侵害者に対し、内容証明郵便によって遺留分請求の通知書を送ります。後に詳しく説明しますが、遺留分減殺請求には期限があるため、期限内に確実に請求したことを明らかにする必要があるからです。内容証明郵便とは、郵便局と自分の手元に、相手に送ったものとまったく同じ内容の控えが残る郵便の方法です。

内容証明郵便によって遺留分減殺請求をしたら、内容を証明できるだけではなく、発送日の確定日付も入ります。配達証明をつけたらいつ相手に通知書が送達されたかまで証明できるので、後になって相手から「そのような通知は行われていない」とか「遺留分減殺請求権が時効消滅している」などと言われるおそれがなくなります。

話合いを行う

相手に通知書が届いたら、その後は、具体的にどのようにして遺留分の返還を行うべきかについて話し合いをしなければなりません。遺留分の返還方法は、分与された遺産そのものの返還が基本となります。現金や預貯金が分与された場合であればそのまま返してもらったら良いのですが、不動産などの場合には問題が起こります。

たとえば、3000万円の不動産が分与された場合において、遺留分が1000万円の場合などには、不動産をすべて返してもらったら返還しすぎになるからです。この場合、原則的な考え方としては、不動産を共有状態にすべきと考えられています。

しかし、実際にはそのような解決方法はしません。

遺留分の侵害者と権利者は感情的な対立があることも多く、共有状態にすることはお互いが望まないことだからです。そこで、このような場合、普通は金銭賠償を行います。

たとえば先の例の場合、相手から1000万円のお金を支払ってもらい、不動産は相手に渡したままにして遺留分の問題を解決します。このように、話合いによってお互いが遺留分の返還方法に合意することができたら、その内容で和解が成立して遺留分の返還を受けることができます。

遺留分減殺調停

遺留分減殺調停とは

話し合いをしても、相手との間で合意ができないことがあります。特に遺留分減殺請求の場面では、権利者と受遺者との間で感情的な対立があり、トラブルになることが多いです。遺留分減殺請求通知を送っても、相手が完全に無視をすることもありますし、「一円たりとも払わない!」などと言われることもあります。

その場合には、家庭裁判所において、遺留分減殺調停をしなければなりません。遺留分減殺調停の正式な名称は、「遺留分減殺による物件返還請求調停」です。遺留分減殺調停では、裁判所の調停委員が間に入って話合いをすすめてくれるので、対立している相手と直接話をする必要がなくなり、合意がしやすくなります。

遺留分減殺調停の申立方法

調停を申し立てるときには、トラブルの相手(遺留分侵害者)が居住している地域の管轄の家庭裁判所において、調停の申立をします。そのとき、調停申立書を作成し、必要書類をそろえて家庭裁判所に提出しなければなりません。

必要書類は、以下のとおりです。

  • 被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本類
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 遺言書の写し、遺言書の検認調書の写し

そのほか、不動産の全部事項証明書や被相続人の子どもが生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本類などの書類が必要になることもあります。

また、費用として収入印紙が1200円分必要になり、裁判所の連絡用の郵便切手も購入して添付する必要があります。

遺留分減殺調停の流れ

申立をしたら、第一回の調停期日が開催されます。このとき、申立人と相手方は別々の待合室で待機をするため、顔を合わせることはありません。自分の意見は調停委員を通じて相手に伝えてもらいますし、相手の意見は調停委員を通じて自分に伝えられます。一回では遺留分の返還方法について合意ができない場合、2回、3回と期日が開催されます。調停期日は、だいたい月に1回くらい開かれて、1回について2~3時間くらいです。午前か午後に開かれますが、平日の昼間の時間帯になります。

このようにしてお互いが合意できたら、その内容で調停が成立します。調停でも、当事者同士の話し合いの場合と同様、不動産が目的となっている場合でも、不動産自身の返還ではなく金銭賠償が行われることが多いです。ただ、いくつかの遺産が遺留分減殺の対象になる場合には、共有にならない前提で、特定の不動産をそのまま返してもらうこともあります。

調停調書の効果

調停が成立すると、家庭裁判所で調停調書が作成されます。たとえば不動産を返してもらえることになった場合には、調停調書をもって自分名義に不動産登記を変更することができますし、相手から支払いを受ける内容になった場合、相手が支払をしないなら、調停調書をもって、相手の財産を差し押さえることも可能です。

遺留分減殺訴訟

遺留分減殺調停をしても、相手との間で合意ができないことがあります。調停は、話合いの手続きなので、当事者に強制をすることができませんが、合意ができないなら、調停は不成立になってしまいます。その場合には、遺留分減殺訴訟をしなければなりません。

遺留分減殺訴訟は、地方裁判所において行います

遺留分の価格が140万円以下の場合には、簡易裁判所となります。場所の管轄は、被相続人の最後の所在地を管轄する裁判所です。ただ、被告の住所地でもかまいませんし、不動産に絡んだ遺留分減殺請求であれば、不動産がある場所の裁判所にも管轄が認められます。

遺留分減殺訴訟を起こしたら、自分に遺留分があることと、遺言や遺贈によって遺留分が侵害されていることを主張して立証しないといけません。訴訟は話合いではなく、裁判官が妥当な解決方法を決めてしまう手続きですから、証拠がないことは事実として認められません。そこで、主張を認めてもらうためには、しっかりと法的な主張と立証活動を展開する必要があります。

たとえば、不動産についての請求をするときには、不動産の評価方法が争点になることがあります。不動産が遺贈されているとき、評価額が低くなったら返還してもらえる価格が少なくなってしまって不利になるので、なるべく高い評価を採用してもらえるように訴訟活動をすすめるべきです。

このようにして、当事者双方がお互いに主張と立証を繰り返して、すべての主張立証が終了したら結審して判決が下されます。判決において、裁判官は遺留分減殺請求を認めるかどうかを決定し、認めるとしたらどのような方法で認めるのかも決めます。

和解も可能

遺留分減殺請求訴訟では、裁判上の和解をすることも可能です。裁判上の和解とは、訴訟の途中で当事者が話し合いにより、問題を解決する方法です。裁判の提訴後、いつでも和解することができます。第一回期日で和解することもありますし、証人尋問前に和解することもありますし、尋問後に和解することもあります。

裁判上の和解をするときには、裁判官が間に入って話し合いをすすめてくれます。調停に似ていますが、調停とは異なり「和解がダメになったら判決が控えている」というプレッシャーがある点が異なります。

和解の場合には、当事者が自分たちで解決方法を決めることができるので、柔軟な解決が可能です。

和解をしたら、その内容で和解調書が作成されます。和解調書にも強制執行力があるので、相手がその内容に従わなかったら、和解調書をもって相手の財産を差し押さえることができますし、和解で不動産を返してもらうことになったなら、和解調書をもって不動産登記をすることも可能です。

遺留分減殺訴訟の注意点

遺留分減殺請求訴訟をするときには、いくつか注意点があります。

期間が長期化する

まず、期間が長期化することが多いです。遺留分減殺請求訴訟では、どの遺産から減殺すべきかとか、遺産の評価方法、具体的な減殺方法など、争点になる問題が多く複雑だからです。

物件そのものの返還が基本になる

また、遺留分減殺請求をするとき、基本的には対象となるのは遺産そのものです。そこで、不動産が対象となっている場合には、金銭賠償は認められません。この点については問題になっていて認めようという議論もあるのですが、今のところ実現していません。そこで、遺留分減殺請求が認められて勝訴しても、判決によって不動産を相手と共有状態にされてしまうおそれがあります。

そうなると、その後相手に対し、共有物分割調停や訴訟をしなければ、最終的に問題を解決できなくなるおそれもあります。そのようなことになったら、2重3重に裁判手続きが必要になって、かかる期間も費用も膨大になりますし、お互いが非常に疲弊します。

なるべく話し合いで解決することが望ましい

そこで、遺留分の問題は、できる限り当事者の話し合いによって解決することをおすすめします。できれば調停までの段階でお互いが譲り合って解決することが好ましいですが、どうしてもダメだったケースでも、裁判上の和解をした方が良いでしょう。

遺留分減殺請求の期限

遺留分減殺請求をするときには、期限があるので注意が必要です。期限内に請求をしなければ、せっかく遺留分があっても一切の請求ができなくなります。期限を過ぎたら遺留分調停や訴訟をすることも認められません。

遺留分減殺請求権の時効期間は、相続開始と、遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知った日から1年間です。また、それらの事実を知らなくても、相続が開始したときから10年間が経過すると、遺留分減殺請求権はなくなります。

そこで、被相続人が死亡して自分が相続人になったとわかったら、すぐに遺言書や贈与がないかを調べて、相続財産をできるだけ調査し、遺留分が侵害されている可能性があるなら、早めに遺留分減殺通知を出しましょう。

遺留分減殺通知の方法は、法律上は特に限定されていません。理屈としては口頭でも有効です。しかし、期限内に請求したことを明らかにするため、先にも説明した通り、必ず内容証明郵便で行いましょう。

遺留分減殺請求を弁護士に依頼しよう

以上のように、遺留分減殺請求の手続は、非常に複雑で難しい部分があります。そもそも内容証明郵便による遺留分減殺通知書を作成する段階において、自分ではうまく作れないことがあります。また、相手に対して遺留分減殺通知を送った後も、自分ではスムーズに話合いをすすめられないことが多いです。遺留分の返還手続きでは、なるべく早期にお互いが話合いによって合意をした方が良い解決につながりやすいですが、自分で対応をしていると、どうしても感情的になって対立が激化してしまいがちです。

弁護士に相談すると、難しい手続きもスムーズに進めてくれるので助かります。遺留分減殺請求の手続きや方法で困ったことがあったら、まずは弁護士に相談しましょう。

遺留分減殺請求を弁護士に依頼するメリット

遺留分減殺請求は自分でも手続きできますが、弁護士に依頼するとたくさんのメリットがあります。以下で、順番に見てみましょう。

スムーズに手続出来る

弁護士に遺留分減殺請求を依頼すると、自分で対応するよりもスムーズに手続きが進みます。まず、相続財産の調査をしてくれますし、内容証明郵便も適切に作成してくれて、すぐに相手に通知書を送ってくれます。相手との交渉でもこちらが主導権をもってリードしてくれますし、交渉が成立したら早期に合意書を作って遺留分を返してもらうことができます。調停や訴訟になる場合であっても、スムーズに申立や提訴の準備をして手続きしてくれるので、時間的なロスがありません。

遺産分割問題や遺留分の問題を抱えている場合、一刻も早く解決したいと希望する人がほとんどなので、このように早期に解決ができることは大きなメリットです。

期限を過ぎてしまわない

遺留分減殺請求には、1年の期限があるので注意が必要です。1年というと長いような気もしますが、意外とすぐに経過してしまうものです。「遺留分を請求しようかどうか迷っている」場合、「内容証明郵便を作成するのが面倒だから後回しにしている」場合など、特に注意が必要です。気づいたときには1年が経過して、請求したくてもできなくなってしまいます。

ここで、弁護士に相談したり遺留分減殺請求を依頼したりすると、期間を徒過するおそれはありません。直前に相談に行ったという極端なケースをのぞいて、普通に余裕をもった日にちで依頼をしたら、必ず期限内に遺留分減殺通知を出してくれるので、権利が保全されます。

有利に交渉ができる

弁護士に遺留分減殺請求を依頼したら、相手との交渉が有利になります。

遺留分減殺請求を成功させるためには、交渉が重要なポイントとなります。話合いで解決する場合、遺産をどのように評価して、どのような方法で返還してもらうのかを決めないといけませんが、その方法は一律ではないので、ケースに応じて自分に有利になる方法を提示して相手に納得させなければなりません。自分では、そういった法律的な判断ができないので、意識していなくても不利になってしまうことがあります。

そこで弁護士に依頼したら、確実に有利になる方法で交渉をすすめてくれて、最終的に良い解決内容を実現することができます。

感情的にならずに済む

遺留分減殺請求がスムーズに解決できない要因の1つは、お互いが感情的になってしまうことです。遺留分減殺請求の当事者は、兄弟であったり嫁姑であったり愛人と妻であったり、半血の兄弟であったりするため、トラブルになりやすいことは想像に難くないでしょう。当事者同士で話し合って解決することはほとんど期待できないケースも多いです。

そこで弁護士に代理を依頼して間に入ってもらったら、無駄に感情的にならずに済むので話をすすめやすいです。また、感情的になるとストレスを感じるものですが、相手と直接話をしなくても良いので、精神的にも楽になります。

調停委員を味方につけやすい

遺留分減殺請求をするとき、裁判外での話合いがうまくいかず、調停が必要になることも多いですが、調停では、有利にすすめるために調停委員を味方につける必要があります。調停を主導するのは調停委員であるため、調停委員に肩入れしてもらったら、相手を強く説得してもらうことができて、相手に譲歩してもらいやすくなるからです。反対に、相手に肩入れされてしまうと、自分ばかりが譲歩を求められてストレスを感じることがあります。

自分1人で遺留分減殺調停を行うと、どうしても説得的に自分の言いたいことを主張することができず、調停委員を味方につけることは難しいです。特に、相手に弁護士がついていたら、調停委員が相手の味方ばかりをして自分が責められているように感じることがあります。そこで弁護士をつけると、弁護士がこちらの主張を法律に従って理論的に展開してくれるので、調停委員も納得してこちらの話をよく聞いてくれるようになります。

このように、調停委員を味方につけやすいことも、弁護士に依頼するメリットです。

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訴訟になっても安心

遺留分減殺請求では、調停でも合意ができなかった場合、最終的に訴訟になってしまいます。この場合、自分一人で進めることはほとんど不可能です。遺留分減殺訴訟は複雑ですし、うまくすすめないと、自分でも思ってもみなかったような不利益の大きな判決が出てしまうこともあります。判決が不利になりそうな場合には、和解した方が得になる場合も多いです。

自分ではそういった訴訟戦略的な判断ができませんが、弁護士に依頼していると、判決を見越してそのときどのような行動をとれば良いのか、適切なアドバイスをしてもらうことができます。このように、弁護士に依頼していると、訴訟になっても安心なので、メリットが大きいです。

以上のように、遺留分減殺請求の手続を弁護士に依頼すると、たくさんのメリットがあるので、これから遺留分減殺請求をするなら、是非とも弁護士に相談して依頼しましょう。

遺留分減殺請求を弁護士に依頼するときの費用は?

遺留分減殺請求を弁護士に依頼すると、かかる費用が心配です。そこで以下では、手続き別にかかる費用を見てみましょう。

法律相談料

弁護士に遺留分減殺請求の依頼をするときには、まずは法律相談を受けなければなりません。そうすると法律相談料がかかりますが、だいたいどこの事務所でも30分5000円(+税)です。

ただ、今は多くの事務所が無料相談を実施しています。インターネットなどで弁護士事務所を検索すると、「初回の相談料無料」「遺産相続の相談無料」「初回の30分無料」など、多くの無料相談がある事務所が見つかります。

とりあえず遺留分があるのかどうか知りたい場合や、どのくらいの請求ができるのか知りたいといった段階なら、無料相談だけを受けて依頼をしなければ、費用を一切かけずに済みます。

交渉

遺留分減殺の交渉を依頼するときにも費用がかかります。

まず、着手金が発生します。着手金とは、事件を依頼した当初にかかる費用で、交渉の場合、だいたい20万円程度になっています。次に、相手と合意ができて遺留分の回収ができたときには報酬金が発生しますが、その金額は、だいたい10%~20%程度になります。

ただ、旧報酬基準に従っている事務所も多く、その場合、以下の金額となります。

着手金について

請求金額が

  • 300万円以下の場合 請求金額の8%
  • 300万円を超えて3000万円以下の場合 請求金額の5%相当額+9万円
  • 3000万円を超えて3億円以下の場合 請求金額の3%相当額+69万円
  • 3億円を超える場合 請求金額の2%相当額+369万円

最低額は10万円       

報酬金について

請求金額が

  • 300万円以下の場合 請求金額の16%
  • 300万円を超えて3000万円以下の場合 請求金額の10%相当額+18万円
  • 3000万円を超えて3億円以下の場合 請求金額の6%相当額+138万円
  • 3億円を超える場合 請求金額の4%相当額+738万円

調停

調停になると、交渉段階の報酬金は不要ですが、別途着手金と調停の報酬金(調停で合意ができた場合)がかかります。

独自の報酬体系を作っている事務所では、着手金が20万円~30万円程度、報酬金が相手から回収できた遺留分の10%~20%程度となります。旧報酬基準に従う場合、交渉のケースと同様ですが、交渉から引き続いて依頼する場合には着手金を減額してもらえることがあります。調停が不成立になった場合には、調停の報酬金は発生しません。

訴訟

訴訟になった場合にも、交渉や調停とは別途、着手金と報酬金がかかります。訴訟の場合の着手金は、30万円~50万円程度です。報酬金については、相手から支払いを受けられた遺留分相当額の10%~20%程度です。調停から引き続いて依頼する場合には減額してもらえることもあります。

旧報酬基準に従う場合、交渉や調停の場合と同様ですが、調停から引き続いて依頼をする場合には、着手金を減額してもらえることもあります。

弁護士費用として、これら以外にも、遠方に出張するときには日当がかかることがありますし、調停や訴訟にかかる実費も必要です。

遺留分減殺請求をするなら弁護士に依頼しよう!

以上のように、遺言や贈与が行われたら、相続人であっても遺産相続ができないことがあります。その場合、遺留分減殺請求をすることができますが、そのためには正しく遺留分を計算して、遺産内容を評価し、遺贈を受けた人や受贈者などの遺留分侵害者に対して適切に遺留分減殺請求をしなければなりません。

遺留分減殺請求には期限もありますし、請求通知を送った後も、交渉や調停、ときには訴訟が必要になってトラブルになることが非常に多いです。自分ではうまくすすめることができないことが多いので、弁護士に依頼することが必要です。弁護士に依頼したら、相手と直接話をしなくて良くなるのでストレスも軽減できますし、早期に有利な内容で解決できてメリットが非常に大きいです。

費用を支払っても弁護士に依頼する価値は高いので、今後遺留分減殺請求をしようと考えているなら、是非とも一度、相続問題に強い弁護士に相談しましょう。

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